ECサイトのリニューアルは「攻めの投資」!実施すべきタイミングや具体的な進め方、成果を最大化するためのポイントなどを徹底解説
ECサイトのリニューアルは、ただデザインを新しくするだけの施策ではありません。売上の伸び悩みやシステムの老朽化、必要な機能を追加できない構造、モバイル対応の遅れなど、多くの既存ECサイトが抱える課題を解決し、事業成長を後押しするための戦略的な「攻めの投資」なのです。
本記事では、リニューアルを検討すべきタイミングや具体的な進め方、成果を最大化するためのポイントなどを整理しながら、柔軟性と拡張性を兼ね備えたEC-CUBEならではの価値についても解説していきます。
目次
ECサイトリニューアルを検討すべき5つのタイミング

ECサイトは、構築初期の状態をいつまでも維持するものではなく、事業の成長や市場環境の変化に合わせて継続的な見直しが求められます。ここでは多くの企業がリニューアルを決断する代表的なタイミングを整理しますので、自社に当てはまる兆候がないかを確認してください。
①システムの老朽化やリスクが顕在化している場合
サイト表示速度の低下やエラーの頻発といったパフォーマンス低下は、ユーザー体験を損なうだけでなくSEO評価やコンバージョン率にも悪影響を及ぼし、売上機会の損失にも直結します。加えて、古いシステムを使い続けることでセキュリティアップデートが適用できず、情報漏えいや不正アクセスといったリスクが高まる可能性もあります。これはECサイトにとって致命的です。
また、SSL対応や法規制への追随が難しくなっている場合、信頼性の低下や事業継続上のリスクを抱える事態にもなりかねません。運用の安定性や安全性に不安を感じ始めた段階は、リニューアルを本格的に検討すべきタイミングです。
②機能や運用面で限界を感じている場合
「利用できる決済手段が限られている」「おすすめ商品の表示やクーポン施策ができない」「在庫管理や受注処理に手間がかかる」などの機能不足は日々の運用負荷を増大させます。さらに、CRMや外部ツールとの連携が難しい場合、顧客データを活かした施策が展開できず、リピート率や競争力の低下、LTV向上の妨げにもなります。
「やりたい施策があるのに、システムが追いつかない」状態が続いている場合、部分的な改修ではなく、基盤そのものの見直しが有効です。
③ユーザー体験や競争力に課題がある場合
ECサイトのデザインやインターフェースにも時代に応じたトレンドがあります。デザインが古臭く見える、操作が分かりにくい、スマートフォンで使いづらいといった要素は、直帰率やカート放棄率の上昇につながります。近年はECサイトの使いやすさが当たり前になっており、競合と比較して劣っていると感じられた時点で、選ばれにくくなります。特にモバイル端末への対応は必須です。
また、自社ならではの強みや価値が十分に伝わっていない場合、価格競争に巻き込まれやすくなる点にも注意が必要です。顧客視点での体験価値を再設計することは、差別化を図るうえでも重要なテーマです。
④事業内容やビジネスモデルが変化している場合
BtoBやD2Cへの転換、定期購入・サブスクリプションモデルの導入、多店舗展開やオムニチャネル戦略の推進など、事業構造が変わるタイミングでは、既存のECサイトでは要件を満たせなくなるケースが珍しくありません。
無理なカスタマイズを重ねて一時的に対応できたとしても、将来的な拡張性や運用性に課題を残し、事業の成長に支障をきたします。中長期の事業戦略を見据えた時、EC基盤を作り替える判断は合理的な選択となります。
⑤売上拡大や次の成長フェーズを目指す場合
現状に大きな問題がなくても、さらなる売上拡大や事業成長を目指してリニューアルを行うケースもあります。UX改善やデータ活用を前提とした設計に刷新し、新たなマーケティング施策や顧客体験の高度化が可能になります。
守りの対応としてではなく、成長を加速させるための戦略的な投資としてECサイトを見直すことは、競争力を維持・強化する上で有効な判断と言えるでしょう。
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ECサイトリニューアルで得られるメリット

適切な時期・手法でのECサイトリニューアルは、顧客体験の質を高め、ブランド価値を強化し、さらなる成長につなげるための重要な打ち手となります。ここでは、リニューアルによって具体的にどのような効果が期待できるのかを整理し、ECサイトを次のステージへ進めるための主なメリットを解説します。
UXの劇的な向上
ECサイトのリニューアルによって得られる最大のメリットの一つが、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上です。最新のデザインやUI設計の導入によって、商品検索から購入完了までの動線が分かりやすくなり、顧客はストレスなく買い物を進められるようになります。ページ表示の高速化や、スマートフォンでも操作しやすい設計は、離脱率やカート放棄率の改善にも直結します。
ECサイトのユーザビリティは今や差別化要因ではなく、前提条件です。快適な購買体験の提供は、顧客満足度を高めるだけでなく、リピート購入や口コミによる評価向上にもつながります。
競合との差別化と強力なブランディング
ECサイトは重要な販売チャネルであると同時に、企業や製品のブランド・世界観を伝える重要な接点でもあります。リニューアルを通じてデザインやコンテンツ表現を刷新すれば、商品やサービスの価値をより明確に伝えられるようになります。さらに色使いやビジュアル、コピーのトーンを統一することで、他社には真似できないブランド体験を提供できるのです。
価格や機能だけで比較されがちな市場において、ブランドとしての「らしさ」をユーザーに感じてもらえれば大きな強みとなります。結果として、価格競争から一歩抜け出し、長期的なファンの獲得につながります。
SEO強化
ECサイトのリニューアルは、SEO対策の観点でも効果を発揮します。AIオーバービューの出現によりSEOをめぐる状況は以前と大きく変化していますが、Web検索は今なお重要な流入経路です。サイト構造を整理し、検索エンジンが情報を正しく理解しやすいよう再設計すれば評価向上が期待できますし、ページ表示速度の改善やモバイルフレンドリーな設計も検索順位に影響を与える重要な要素となります。
特に近年は、ユーザー体験を重視した指標が評価に反映される傾向が強まっています。内部構造とユーザー体験を同時に最適化できる点は、リニューアルならではのメリットといえるでしょう。
新たなビジネス機会の創出と業務効率化
ECサイトのリニューアルは見た目のデザインやUIだけではありません。それまでになかった新しい機能を柔軟に追加し、ビジネスの可能性を大きく広げるチャンスとなります。
定期購入や会員ランク制度、パーソナライズ施策などを実装すれば、顧客との接点を増やし、LTVの向上を図れます。また運用サイドにおいては、在庫管理や受注処理の高機能化、外部システムとの連携の最適化などによってバックヤード業務の効率化も実現できます。業務負荷を減らしつつ、売上拡大につながる施策を実行できる環境を整えられる点は、リニューアルの大きな価値です。
【EC-CUBE独自の強み】「資産性」とベンダーロックインの回避
当社が開発・提供する「EC-CUBE」は、オープンソース(ソースコードが公開されており誰でも自由に利用・改変・再配布が可能)のECパッケージです。
EC-CUBEを用いてECサイトをリニューアルする大きなメリットの一つが「資産性」の高さ、つまりサイトを構成するソースコードを自社の資産として保有できる点です。
多くのクラウド型ECサービスでは、システムはあくまでサービス提供側の所有物であり、カスタマイズや拡張には制約が伴いますが、オープンソースのEC-CUBEでは一式を自社で管理できるため、システムそのものが事業資産として蓄積されていきます。同時に、事業の成長に合わせて積み重ねたカスタマイズやノウハウがそのまま自社の競争力として残る点も見逃せません。
また、ソースコードを所有しているということはベンダーロックイン(機能改修やバージョンアップ等を特定のベンダー・サービスに強く依存する状態)の回避につながります。開発や保守を委託するパートナーを柔軟に選定でき、将来的に要件が変わった場合でも既存の資産を活かしながら改修や機能追加を行えます。これは、長期的な視点で見た時のコストコントロールや、事業継続性の確保において大きな利点です。
ECサイトリニューアルの具体的な進め方

①現状分析と課題の洗い出し
リニューアルを成功させるためには、まず正しい現状把握が欠かせません。
Google Analyticsなどのアクセス解析データを用いて、直帰率やCVR、流入経路を確認し、ヒートマップや顧客アンケートによってユーザー行動や不満点を可視化します。加えて競合サイトの調査を行い、市場内での自社の立ち位置を明確にします。
この工程は単なる問題探しではなく、ECサイトが事業戦略の中で果たすべき役割を再定義する重要なステップです。
②リニューアル目的・目標の明確化
次に、リニューアルの目的を言語化します。現状分析によって洗い出された課題や問題点を解消するために何が必要かを決定しましょう。
そして目的を達成するための指標(KPI)を具体化します。「売上を〇〇%向上させる」「CVRを〇〇%改善する」「新規顧客を〇〇%増やす」などの定量的な目標があるとプロジェクトの判断軸が明確になります。逆に目的が曖昧なまま形だけのリニューアルを進めていると、施策の優先順位がぶれやすくなり思うような効果を得られません。最初の段階での、関係者間での認識統一は非常に重要です。
③ECシステム・構築方法の選定
サイトリニューアルに用いるECシステムや構築方法を決定します。
ECサイトの構築方法には大きく4種類あり、目的や費用感に応じた方法が選ばれます。
| ASP | カート会社がクラウド上で提供するプラットフォームをレンタルするサービス。簡単かつ短期間・低予算で構築できるのが最大のメリット。システムのメンテナンスやセキュリティ対応もASP提供者が対応。機能・デザインの自由度は低い。 |
|---|---|
| ECパッケージ | ECサイト運営に必要な基本機能がパッケージ化されたソフトウェア。サーバーにインストールして利用する。ニーズに合わせたカスタマイズも可能。フルスクラッチよりも短期間・低コストだが長期利用においてはベンダーロックインのリスクあり。 |
| オープンソース | ソースコードが一般に公開され、誰でも自由に利用・改変できるソフトウェア。基本システムは無料で導入でき、コストを抑えながらECパッケージよりも柔軟に機能追加やデザイン変更が可能。導入やカスタマイズには相応の技術力が必要。 |
| フルスクラッチ | 既存のシステムやソフトウェアを用いずゼロベースでECサイトを構築する手法。あらゆる用途・仕様のECサイトをオーダーメイドでき独自のビジネスニーズにも対応可能だが、開発期間やコストが膨大になる上、開発可能なスキルを持った人材も必要。 |
詳しくはこちらのコラムもあわせてご覧ください。
オープンソースECパッケージ「EC-CUBE」について
当社が開発・提供しているEC-CUBEは上記の「オープンソース」に該当し、国産ECオープンソースとして圧倒的なシェア・導入実績を誇っています。
EC-CUBEは次のような特徴を持っており、「独自性の高いECサイトを構築したい」「ベンダーロックインを避けたい」「長期的な視点でECを成長させたい」といった課題をお持ちの企業様のECサイトリニューアルに特に適しています。
EC-CUBEのメリット
- 完全なカスタマイズ性
ASPやECパッケージのようなカスタマイズ上の制約がなく、独自の機能やデザインを自由に実装可能。既存の業務プロセスにシステム側を合わせられるため、自社の強みを最大化できる。 - ベンダーロックイン回避
ソースコードは公開されているため特定のベンダーに依存することなく自由に開発環境の選択・変更が可能。 - 資産性
構築したサイトのデータは全て自社の資産となるため将来的な拡張・改修が容易。 - 豊富なプラグイン
EC-CUBEは1,100以上の豊富なプラグインが公開されており、必要に応じて機能を追加・拡張可能。 - 多様なビジネスモデルへの対応
BtoB・D2C・モール型・定期購入など、あらゆるビジネスニーズに対応できる柔軟性。
EC-CUBEのデメリット
- 専門知識を持つ開発会社との連携が必須
セキュリティ対策は自社またはベンダーの責任範囲となる。
④ベンダー(開発会社)の選定
ECサイトリニューアルは、ベンダー選びが成否を大きく左右します。過去の実績や業界理解度、要件に対する提案力に加え、プロジェクト中のコミュニケーションの取りやすさや、公開後のサポート体制も重要な判断材料です。料金だけで判断せず、長期的なパートナーとして信頼できるかを見極める必要があります。簡単なことではありませんが、開発会社のWebサイトやSNSなども参考にしながら慎重に情報収集を行いましょう。
開発会社の選定についてはこちらのコラムも参考になりますのでぜひご覧ください。
⑤予算・スケジュール・体制の確定
リニューアルにかかる現実的な予算(初期費用・開発費用・保守費用)の見積を開発会社に依頼し、完成までのスケジュールを策定します。特にECサイトでは、ほぼ全ての場合で既存サイトのデータ移行作業が伴いますので確認しておきましょう。またSEO対策や広告施策にかかるコストが必要な場合もあります。
社内で誰が意思決定を行い、誰が構築や運用を担うのかといった体制づくりも欠かせません。準備不足は、後工程での遅延やコスト増加につながります。
⑥要件定義とシステム仕様策定
選定したベンダーとともに、サイトマップ(Webサイトのページ構成を一覧で表した図)やワイヤーフレーム(Webサイトのどこに何を配置するかをシンプルに示した図)、必要な機能、デザインの方向性を具体化します。
この段階で要件を曖昧にしたまま進めると、後から仕様変更が発生しやすく工数や費用のロスにつながります。RFP(提案依頼書)を通じて要件を明文化し、関係者間の認識を揃えることが重要です。
⑦デザイン制作・開発
要件定義をもとに、デザイン制作とシステム開発を進めます。
サイトデザインは、リニューアルにおいてユーザーが最も分かりやすく変化を感じる部分です。ブランドイメージやターゲット層を踏まえたトーン設計、回遊性を高める導線設計、購入完了までのストレスを最小限に抑えるUI/UX設計が求められます。
また、デザインと並行して進むシステム開発では、要件定義で整理した機能や仕様を正確に反映することが重要です。デザインと開発が乖離すると、使い勝手の悪化や追加修正によるコスト増につながるため、両者を密に連携させながら進める必要があります。
開発工程について詳しくはこちらのコラムもご参照ください。
⑧データ移行・テスト運用
リニューアルにおけるデータ移行は非常に重要な工程です。商品情報、顧客データ、注文履歴、レビューなどを正確に移行できなければ、業務や顧客対応に大きな支障をきたします。
またデータ移行後は、本番環境を想定したテスト運用を十分に行い、表示崩れや機能不具合、決済処理のエラーなどがないかを確認します。管理画面の操作性や運用フローの確認も含めて実際の業務を想定した検証を丹念に行い、公開後のトラブルを未然に防ぐようにしましょう。
⑨サイトオープンと運用体制の確立
サイトリニューアル後は、既存顧客への告知やSNS・メールマガジンなどを活用した周知施策を行い、スムーズな移行を促します。また、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを正しく設定し、リニューアル前後で数値を比較できる状態を整えるのも不可欠です。
あわせて、更新作業や問い合わせ対応、障害発生時の対応フローなど、社内の運用体制を明確にしておくと安定したサイト運営が可能になります。
⑩ 効果計測とPDCAサイクルの運用
リニューアルの成果は公開直後だけで判断すべきものではありません。設定したKPIに基づき、アクセス数・CVR・売上・離脱率などを継続的に分析し、効果を検証していきましょう。その結果をもとに、UI改善やコンテンツ追加、マーケティング施策の調整などを行い、PDCAサイクルを回し続けることで、ECサイトの価値はさらに高まります。
リニューアルを一過性の施策で終わらせず、継続的な改善につなげる視点が、成功の鍵となります。
サイト運営のPDCAに関してはこちらのコラムもぜひご参照ください。
ECサイトリニューアルでの注意点

ECサイトリニューアルは大きな効果が期待できる一方で、進め方を誤るとコスト増大や成果未達といったリスクも伴います。ここでは、リニューアル時に特に注意すべき代表的なポイントと、その回避策について解説します。
予算オーバー
リニューアルで多い失敗の一つが、当初想定していた予算を大きく超えてしまうケースです。初期見積では把握しきれなかった追加機能の開発費や、公開後の運用・保守費用、データ移行やSEO対策などが後から発生し、結果的に予算超過に陥るというものです。
事業費の見積にあたってはRFP(提案依頼書)をできる限り詳細に作成し、必要な機能や運用範囲を事前に明確にすることが重要です。また、オープンソースを採用すればライセンス費用が不要となり、その分を開発や改善に柔軟に配分できる点も、コストコントロールの面で有効です。
「リニューアルさえすれば良い」という誤解
「サイトを新しくすれば、自然と売上やアクセスが伸びる」と考えてしまうのはよくある誤解です。実際には、リニューアルはあくまで土台作りであり、それ自体が成果を保証するものではありません。公開後に適切な施策を行わなければ期待した効果は得られないでしょう。
リニューアル後のSEO施策、広告運用、SNS活用などを含めたマーケティング戦略を、設計段階から同時によく検討しておきましょう。運用フェーズを見据えた計画が、成果を左右します。
SEO順位の下落
リニューアルに伴うURL構造の変更やコンテンツ削除、表示速度の低下などにより、検索順位が一時的、あるいは長期的に下落するリスクがあります。特に既存サイトが検索流入に依存している場合、その影響はより大きくなります。
リニューアルサイト構築の際は旧URLから新URLへの301リダイレクトを徹底し、これまで蓄積してきた検索エンジンからの評価を正しく引き継ぐという対応が不可欠です。あわせて、内部構造やページ設計をSEOに配慮した形で構築する必要があります。
データ移行のミスやシステム不具合
商品データ・顧客情報・注文履歴といった重要データの移行は、リニューアルにおいて最も慎重さが求められる工程です。移行ミスや新システムの不具合により、データ欠損や運用停止といった深刻なトラブルにつながる恐れがあります。
これを回避するには、専門知識を持つ開発ベンダーによる移行計画の策定と、本番環境を想定した十分なテストの実施が欠かせません。複数回の検証を前提に、余裕を持ったスケジュールを組むことも重要です。
要件定義や運用ルールの記録不足
リニューアルを開始するにあたっては「要件定義」を行いますが、これが曖昧なまま構築を進行した結果、完成後に「想定していた機能がない」「不要な仕様が多い」といった問題が発覚するケースも少なくありません。また、開発中に決めた運用ルールが共有されず、リニューアル後のトラブルにつながる場合もあります。
要件定義や目標設定をはじめ、開発プロセスにおける決定事項や変更点はすべて文書化・記録し、関係者間で共有できる体制とルールを整備しましょう。これが徹底できれば運用フェーズでの認識ズレは必ず防げます。
セキュリティ対策の不備
ECサイトは大量の個人情報や決済情報を扱うため、セキュリティ対策は事業者が最も注力せねばならない領域の一つです。万一セキュリティの不備によって不正アクセスや情報漏洩が発生した場合、金銭的損失だけでなく、ブランド信頼の失墜にも直結します。
これを回避するには、リニューアル時はSSL対応をはじめ、WAFの導入、定期的な脆弱性診断など、ECサイトに求められる基本的なセキュリティ対策を徹底することです。「まさか自分は…」という意識を捨て、セキュリティを後回しにせず、設計段階から組み込む姿勢が求められます。
セキュリティ対策に関してはこちらのコラムもぜひご参照ください。
リニューアル効果を最大化するためのポイント

ECサイトのリニューアルを成果につなげるためには、単にデザインやコンテンツを新しくするだけでなく、明確な視点を持った設計・運用が重要です。ここでは、リニューアル効果を最大化し、売上アップを実現するために押さえておきたい主要なポイントについてご説明します。
徹底したUX重視のデザイン
売上向上に直結する要素として、UX(ユーザーエクスペリエンス)の最適化は欠かせません。
商品検索から購入完了までの導線が分かりやすく、迷いやストレスを感じさせない設計は、CVR改善の土台となります。入力フォームの簡素化や視線誘導を意識したレイアウト、適切な情報量の整理など、細かな配慮の積み重ねが購買率を左右します。リニューアルは、こうしたUXをゼロベースで見直す絶好の機会です。
パーソナライゼーションの導入
顧客一人ひとりに合わせた体験を提供できるかどうかは、ECサイトの競争力を大きく左右します。
閲覧履歴や購入履歴をもとにしたレコメンド表示、個別クーポンの配布、ユーザー属性に応じたコンテンツ切り替えなどは、回遊率や客単価の向上に効果的です。リニューアルを機に顧客データの活用を前提とした設計にすることで、画一的なサイトから脱却し、LTV向上を狙えます。
コンテンツSEOの強化(AIO・LLMOへの対応)
集客力を高める上で、コンテンツの重要性はますます高まっています。キーワードリサーチに基づいたブログ記事や特集ページは、検索流入の拡大に貢献します。
一方で、近年はAIによる検索体験の変化が進み、従来型のSEO対策だけでは不十分になりつつあります。AIO(AI最適化)やLLMO(大規模言語モデル最適化)を意識し、ユーザーの疑問に深く答える質の高いコンテンツの継続的な拡充により長期的な集客基盤の構築を目指しましょう。
モバイルファースト設計
昨今は全世代にわたりスマートフォンが普及しており、特にBtoC ECにおいてはアクセスの大半がモバイル端末からのものです。
モバイルでの表示速度や操作性を最優先に考えた設計が不可欠であり、PCサイトデザインの単なる縮小ではなく、片手操作を前提としたUIやスクロール中心の導線設計など、モバイル特有の行動特性を踏まえる必要があります。モバイルファーストの視点で設計されたサイトは、離脱防止と売上向上の両面で効果を発揮します。
データ分析に基づく継続的な改善
サイトリニューアルはゴールではなく、スタートに過ぎません。公開後もアクセス解析やユーザー行動データを継続的に分析し、課題を発見し、改善を繰り返すPDCA運用が成果を左右します。
数値に基づいて仮説検証を行うことで、感覚的な改善から脱却し、再現性のある成長を実現できます。改善を前提とした設計・体制作りも、リニューアル時に意識すべき重要なポイントです。
オムニチャネル・OMO戦略の推進
実店舗とECサイトを展開する企業では、両者を分断せず顧客データを一元管理する体制の構築により、よりシームレスな購買体験を提供できます。
店舗での購買履歴をEC施策に活かしたり、逆にECで得た顧客情報を店舗接客に反映したりすることで、顧客満足度の向上と購買機会の創出を同時に実現できます。リニューアルを契機に、ECを単独のチャネルではなく全体戦略の中核として位置付け、持続的な売上成長を目指しましょう。
EC-CUBEでのリニューアル成功事例
ここで、EC-CUBEを導入してサイトリニューアルを行った実例を3つ紹介させていただきます。いずれもオープンソースECならではの柔軟なカスタマイズ性が活かされており、皆様がリニューアルを進めるうえでのご参考になるかと思います。
株式会社崎陽軒様(食品の製造販売)
リニューアル前は通信販売サイトとデリバリー注文サイトが別々にあり、顧客情報の統合管理やUI・デザインが統一されていませんでした。また、店舗受取予約サービスのEC化が進んでおらず、利便性やサービス提供の拡大に課題がありました。
EC-CUBEが選ばれた決め手は、柔軟なカスタマイズ性と機能面・コスト面のバランスが良く、要望に合致すると評価された点です。また開発パートナーとの協業によるコミュニケーションがスムーズに進んだことも選定理由の一つです。
リニューアル後は顧客情報の一元管理が実現し、特に店舗受取予約のEC化については出荷スケジュールやリードタイム、細かな受注制限など業務に即した細やかなルールを反映したシステムを構築。顧客利便性の大きな向上と運用負荷の軽減を達成しました。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
株式会社イーウェル様(福利厚生サービス)
会員企業に福利厚生を提供するWELBOXサイトでは企業ごとのカスタマイズが多く、システムが複雑化しページの動作速度が低下。モバイル向けUIや商品検索機能が不便であるのもユーザー体験の阻害要因となっていました。
柔軟性が高くECモール構築にも豊富な実績があるEC-CUBEが採用され、また「ユーザー数の多い大規模なプラットフォームで厳格な納期設定がある」という厳しい要件に最適な提案をしたイーシーキューブ社が開発パートナーに選ばれました。
リニューアル後は商品検索性が飛躍的に改善。関連商品レコメンドやクーポン表示などの機能増強、ページ表示の大幅な高速化などで利便性が大幅に強化され、利用率や商品販売店数も伸びています。管理画面の改善により運営業務の効率化も進んでいます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
プラス株式会社様(オフィス家具・雑貨の製造販売)
同社は長年ECサイトをインハウス運営していましたが、Web解析がしづらい・サイト管理が煩雑・物理サーバの稼働が不安定などの課題が山積し、これらを要因とするCV率の低下・離脱率の上昇といった売上面の課題も深刻でした。
システム全体の見直しを迫られ、プラットフォームの変更とサイトリニューアルを断行。複数の製品を比較検討した結果、EC-CUBEが選ばれました。カスタマイズ性の高さとコストパフォーマンス、複数の販売形態に対応できる柔軟さなどが評価点でした。
リニューアル後は、運営ツールと基幹システムの連携による運用負荷の軽減や、クイックオーダー機能・最短お届け日の算出などユーザー体験が大幅に向上。BtoB要件への対応も可能になり、リアル店舗のPOSレジとの連携などOMOへの取り組みも進められています。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
ECサイトリニューアルにかかる費用とスケジュール
ECサイトリニューアルは、単一の作業ではなく複数の工程・役割から成り立つプロジェクトです。予算超過や遅延のリスクを抑えるためには、包括的に費用を把握し適切な体制とスケジュールを整える必要があります。
リニューアルで発生する一般的な費用項目とその役割をご説明します。
| 企画・要件定義費(プロジェクト設計) | 現状分析、KPI/目的設定、要件整理、RFP(提案依頼書)の作成など、プロジェクト全体の設計にかかる費用です。適切な要件定義は後工程の無駄を削減し、費用対効果を最大化すると共に内部・外部設計の齟齬を防ぐ役割も担います。 |
|---|---|
| デザイン制作費 | UI/UXデザイン、ブランド表現、ワイヤーフレーム制作、レスポンシブ対応設計などにかかる費用です。ECサイトは見た目を整えるだけでなく導線設計や操作性の向上を含めたデザイン戦略が求められます。 |
| システム開発費 | 機能実装、UI実装、決済連携、外部システム連携、セキュリティ実装など、要件定義に基づくECサイト本体の構築にかかる費用です。複雑な機能ほど工数が増えるため、仕様決定と実装の精度が費用に直結します。 |
| データ移行費 | 旧サイトからの顧客情報、商品データ、注文履歴などを新サイトに移す作業にかかる費用です。データ構造の違いによる整合性チェックやクリーニング、マッピング作業が含まれるため、単純なコピー以上の工数がかかります。 |
| テスト費 | 機能テスト、表示確認、クロスデバイス検証、負荷テストなど、公開前の多面的なテストにかかる費用です。リリース後のトラブル対応コストや顧客不満を減らすために非常に重要な工程です。 |
| 保守運用費 | 公開後の保守・運用・改善・セキュリティ対応・バージョンアップなど、サイトを継続的に安定稼働させるための費用です。クラウド・サーバー費用も含まれます。 |
また、リニューアルの期間はサイトの規模や追加する機能などによって大きく変動しますが、おおよその目安は次の通りです。
- 小規模(デザイン刷新やUI改善が中心で機能面の改善が少ない)
3~6か月程度が目安 - 中規模(デザイン・機能の改善、SEOリニューアルなど)
6~9か月程度が目安 - 大規模(システムの全面刷新、外部システム連携など)
9か月~1年以上が目安
ECサイトリニューアルで利用できる補助金
ECサイトリニューアルでは、条件を満たせば国や自治体の補助金制度を活用できる場合があります。ここでは活用が検討できる代表的な補助金制度をご紹介します。
中小企業新事業進出補助金
企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等を対象に、既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援する補助金です。補助率は2分の1でECサイトの構築にも使用できますが、新規事業展開の付随としての申請に限られます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃金引上げ、インボイス導入等)等に対応するため、経営計画を作成し、それらに基づいて行う販路開拓の取組み等の経費の一部を補助するものです。販路開拓や集客、オンライン販売促進を目的としたウェブサイトが対象になります。
なお以前は「IT導入補助金」をECサイトやホームページの制作費に充てられましたが、2025年現在は原則対象外となっています。これに限らず、補助金活用を検討する場合は必ず最新の公募要領を確認してください。
独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構) 公式ポータルサイト
経済産業省 中小企業庁 公式ページ(制度概要)
IT導入補助金 公式ポータルサイト(中小企業基盤整備機構)
ECサイトリニューアルに関するよくある質問

- ECサイトのリニューアルは、どのくらいの頻度で行うべきですか?
-
明確な正解はありませんが、一般的には3~5年に一度を目安に見直しを行う企業が多いとされています。ECを取り巻く環境は、消費者行動・デバイス・決済手段・法規制・検索アルゴリズムなどの変化が速く、気付かないうちにサイトが時代遅れになっているケースも少なくありません。
EC-CUBEのようなオープンソース型ECであれば、必要な機能やデザインを段階的に改修できるため、大規模な全面リニューアルの頻度を抑えつつ、継続的な改善を重ねていく運用も可能です。
- リニューアル中もECサイトは運用できますか?
-
多くの場合、既存サイトを運用しながらリニューアルを進める並行運用が可能です。例えば、新サイトをテスト環境やサブドメインで構築し、十分な検証を行った上で本番切り替えを行うという方法があります。
また、ドメイン変更やURL構造の変更がある場合は、段階的な移行やアクセス制御によりユーザーや検索エンジンへの影響を最小限に抑えられます。重要なのは、切り替えスケジュールを事前に明確にし、十分なテスト期間を確保することです。
- SEOに影響が出ないか心配です。どうすればよいですか?
-
ECサイトリニューアルにおいてSEO対策は注意すべきポイントです。URLが変更される場合は301リダイレクトを正しく設定し、検索エンジンからの評価を確実に引き継ぎましょう。また既存の重要コンテンツを安易に削除せず、内容の改善や拡充を行います。
設計段階からSEOを意識し、リニューアルを機に情報構造や内部リンクの最適化によって検索流入を伸ばすケースもありますので、早い段階からSEO担当者や外部パートナーと連携することが重要です。
- EC-CUBEでのリニューアルは、専門知識がないと難しいですか?
-
EC-CUBE自体は柔軟で高機能なシステムですが、必ずしも自社で専門的な開発知識を持つ必要はありません。EC-CUBEに精通した開発パートナー(ベンダー)に依頼すれば、自社の要件や事業規模に合ったECサイトを構築できます。
オープンソースのためカスタマイズの自由度が高く、自社の業務に合わせてECを設計できる点も大きな特長です。要件整理や目的設定をしっかり行えば、専門知識がなくてもプロジェクトの進行は十分可能です。
- リニューアル後の保守運用はどうすればよいですか?
-
多くの企業では、開発ベンダーと保守契約を結び、障害対応やアップデート、改善対応を継続的に行っています。
なおEC-CUBEのようなオープンソースECではソースコードを自社で保有できるため、将来的にベンダーの変更や保守運用の内製化も可能で、これは上述のベンダーロックインを回避できるという大きなメリットでもあります。中長期的な運用や成長を見据えて柔軟な選択肢を持てる点は、EC-CUBEを選ぶ理由の一つと言えるでしょう。
ECリニューアルに最適のソリューション・EC-CUBE
ここまでECサイトのリニューアルについて様々な角度から解説してまいりました。
ECサイトのリニューアルは、事業の成長を左右する重要な戦略です。システムの老朽化や機能・運用面の限界といった課題の解決だけでなく、商品競争力の強化や売上のさらなる拡大を目指す前向きな成長投資として捉えることが重要です。
リニューアルの手法には様々な選択肢がありますが、特にASPやパッケージの制約に不満を感じている企業様や、将来的な拡張性・独自性を追求したい企業様には、当社のEC-CUBEが最適なソリューションと考えます。
EC-CUBEは、国内トップクラスの導入実績を誇るオープンソースECプラットフォームとして、個人事業主から大規模EC事業まで幅広く活用されています。ECサイト運営に必要な基本機能を標準で備えつつ、1,100以上のプラグインや自由度の高いカスタマイズによって、事業内容や業務フローに最適化されたEC構築が可能です。さらにソースコードを自社で保有・改変できるため、特定のベンダーやサービスに依存することなく、外部システム連携や将来的な機能拡張にも柔軟に対応できます。
ベンダーロックイン回避・ソースコードの資産性・完全なカスタマイズ性という3つの強みが、貴社のECサイトを唯一無二の資産へと昇華させ、変化の激しい市場環境においても持続的な成長を可能にします。
EC-CUBEの強みと信頼性を兼ね備えた「EC-CUBE Enterprise」
上述のEC-CUBE通常版は、スタートアップから中・大規模まで幅広い事業者に対応できるECプラットフォームですが、より大規模なECサイトリニューアルをお考えの企業向けには、「EC-CUBE Enterprise(イーシーキューブ エンタープライズ)」をお勧めいたします。
EC-CUBE Enterpriseは、オープンソース版EC-CUBEをベースに、大規模ECサイトに求められる「非機能要件(セキュリティ・性能・可用性)」を強化。さらに、業界や業態ごとの特性に合わせた専用機能と専門家による伴走支援を組み合わせることで、他のECプラットフォームでは実現が難しかった理想のECを形にします。
国内最高峰の開発環境
EC-CUBEをベースに大規模ECに求められる高いセキュリティ・安定した性能・高可用性を実現。安心・安全な運用環境を提供します。また独自AIを活用した最適化プロセス「EC-CUBE EQ」により、品質・コスト・納期の全てを高水準で両立。よりスピーディーかつ高品質な開発を実現します。さらに専門チームがECの設計から構築、運用支援までトータルサポート。
業界特化の機能で、複雑な要件にも柔軟対応
EC-CUBE Enterpriseは、業界や事業形態に合わせて機能を自由に組み合わせられる柔軟な設計が特長です。「EC-CUBE Enterprise for Marketplace(マーケットプレイス/モール型ECサイト対応)」「EC-CUBE Enterprise for Re:Use(中古買取販売)」など各種ECビジネスに特化した豊富なラインアップがあります。
またこれまで培ってきたECトランザクション処理のノウハウを応用した「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket(産業機器・業務用機器メーカー向け 保守部品販売・BtoB受発注DX)」の提供を開始。工場ラインの「ダウンタイム・ゼロ」を目指す新たなサービスもおこなっております。
構築から運用・マーケティングまで、ワンストップ支援
EC-CUBE開発元である株式会社イーシーキューブが、ECサイトの構築・リニューアルから運用・分析・売上拡大までを一貫して支援いたします。
20年以上にわたるEC専業の知見と、500社以上にわたる大規模開発の実績をもとに、イルグルムグループのマーケティングリソースも活用しながら、単なるECサイト制作会社という枠を超え、事業の成長を共に考えるEC専門チームとして貴社のビジネスを長期的に支え成功に導きます。
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