データ連携基盤の徹底ガイド|仕組みから製造業向けの構築アプローチまで
データ連携基盤の徹底ガイド|仕組みから製造業向けの構築アプローチまで
データ連携基盤とは、企業内や地域社会に散在するデータを統合し、活用可能な状態にするための中核システムです。本記事では、データ連携基盤の基礎知識やメリット、API連携基盤としての活用方法から、具体的な構築ステップまでをわかりやすく解説します。さらに、製造業特有の複雑な商流や基幹システム連携における「行き詰まり」を打開し、無理なく受発注のデジタル化を進めるための実践的なアプローチも紹介します。
目次
- データ連携基盤が求められる背景と現場の課題
- データ連携基盤とは?わかりやすく解説
- データ連携基盤を構築するメリット・得られる効果
- データ連携基盤で必要となる構成要素とアーキテクチャ
- データ連携基盤の構築方法と連携方式
- データ連携ツール(連携方式)の選定ポイント
- データ連携基盤の構築ステップとリスク管理
- データ連携基盤の導入実態と活用事例
- 【製造業向け】データ連携・受発注システム構築における「行き詰まり」
- 解決への第一歩:「業務のやり方を変えずに媒体だけをデジタル化する」
- 製造業の複雑な商流に適応する「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket」
- まとめ:データ連携基盤の構築は組織に大きなメリットをもたらす
データ連携基盤が求められる背景と現場の課題
システムのサイロ化とデータ分断の弊害
企業においてデータ連携基盤が求められる最大の理由は、部門ごとに最適化されたシステムが乱立し、データが分断される「サイロ化」が進行しているためです。営業部門の顧客管理システム、製造部門の生産管理システム、経理部門の会計システムなどが独立して稼働している状態では、全社的なデータの統合分析やリアルタイムな経営判断を行うことが困難になります。
手作業によるデータ集計・連携の限界と非効率
システム間でデータが自動的に連携されていない場合、データの受け渡しに多大な非効率が生じます。担当者が一方のシステムからCSVデータをダウンロードし、Excelで加工した上で、別のシステムへ手入力するといった作業が常態化します。このような手作業は、人件費の増大を招くだけでなく、入力ミスやデータ更新の遅れといった業務品質の低下に直結する深刻な課題となります。
データ連携基盤とは?わかりやすく解説
データ連携基盤の定義と役割
データ連携基盤とはわかりやすく言えば、社内外に点在する複数のシステムやアプリケーションを接続し、データを安全かつ自動的に受け渡し・統合するためのシステム基盤のことです。異なるフォーマットや通信プロトコルを持つシステム同士の間に入り、データを「抽出」「変換」「書き込み」するハブの役割を果たします。これにより、個別のシステム改修を最小限に抑えながら、全社的なデータ統合を実現します。
なぜ今、データ連携基盤が注目されているのか
ビジネス環境の変化に迅速に対応するデータドリブン経営が不可欠となっていることが、データ連携基盤への注目を高めています。市場の変化を即座に捉え、生産計画や在庫管理を最適化するためには、過去の集計データではなく「今、現場で起きているリアルタイムなデータ」が必要です。システム間の垣根を越えてデータをシームレスに流通させる基盤の存在が、企業の競争力を左右する時代となっています。
【派生】エリアデータ連携基盤とは(地域社会・行政での活用)
データ連携の概念は企業内にとどまらず、地域社会や行政のインフラとしても重要視されています。デジタル庁が推進する「デジタル田園都市国家構想」において、エリアデータ連携基盤(都市OS)は、自治体、企業、研究機関などが持つデータを安全に共有・活用するための中核システムと位置づけられています。内閣官房の資料や一般社団法人データ社会推進協議会のガイドライン等においても、分野間・地域間でのデータ連携を促進し、地域課題の解決や新たなサービス創出を実現するための標準仕様や整備方針が示されています。
データ連携基盤を構築するメリット・得られる効果
データの信頼性・品質の向上
データ連携基盤を導入することで、システム間のデータ転記や加工が自動化され、人為的なミスを大幅に削減できます。最新かつ正確なデータが各システムに同期されるため、データの信頼性が大幅に向上します。経営層から現場の担当者まで、関係者が同一の正確なデータを基準に業務を遂行できるようになります。
業務の自動化による効率性とコスト削減
手作業で行っていたデータの抽出、フォーマット変換、他システムへの入力作業の大部分が自動化されるため、大幅な業務効率化とコスト削減が実現します。ルーチンワークに割かれていた人的リソースを、データ分析や戦略立案といった付加価値の高い業務へ再配置することが可能になります。
システム連携・統合におけるシステムリスクの最小化
システム同士を直接つなぐ「密結合」の連携方式では、一つのシステムを改修するたびに他のシステムにも影響が及び、保守コストが肥大化するリスクがあります。データ連携基盤を中間に配置する「疎結合」のアーキテクチャを採用することで、各システムの独立性を保ちながら連携でき、将来的なシステムの入れ替えや拡張時におけるリスクとコストを最小化できます。
データ連携基盤で必要となる構成要素とアーキテクチャ
データの取得(自動抽出)
データ連携基盤の第一の構成要素は、連携元となるデータベース、SaaS、基幹システム(ERP)などから必要なデータを自動的に取得・抽出する機能です。定期的なバッチ処理による抽出や、データの更新をトリガーとしたリアルタイムな抽出など、業務要件に応じた取得タイミングの制御が行われます。
データの編集(自動加工)
抽出されたデータは、そのままでは連携先のシステムで読み込めないことが多いため、編集・加工機能が不可欠です。文字コードの変換、日付フォーマットの統一、不要な項目の削除、複数データの結合など、連携先システムの仕様に合わせてデータを自動的にクレンジング・変換(マッピング)します。
データの出力(自動ロード・集計)
加工・変換されたデータを、最終的な連携先システムやデータウェアハウス(DWH)へ安全に書き込む(ロードする)機能です。エラー発生時の自動リトライ機能や、どのデータがいつ連携されたかを記録するログ管理機能も、安定した稼働を支える重要な要素となります。
推奨されるモジュールとアーキテクチャ(FIWARE等の標準仕様)
行政やスマートシティ分野におけるエリアデータ連携基盤では、システムの相互運用性を確保するため、FIWARE(ファイウェア)などの国際標準アーキテクチャの採用が推奨されています。オープンな標準仕様に基づくモジュール群を活用することで、特定のベンダーに依存しない(ベンダーロックインを回避する)柔軟で拡張性の高いデータ連携基盤を構築できます。
データ連携基盤の構築方法と連携方式
スクラッチ開発による構築
自社の要件に合わせてゼロから連携プログラムを開発する方式です。既存のツールでは対応できない極めて特殊なデータ形式や、独自の暗号化通信が必要な場合に選択されます。自由度は高いものの、開発コストが高額になりやすく、その後の保守・運用も自社で行う必要があるため技術的負債となるリスクを含んでいます。
データ連携ツールの導入(EAI、ETL、iPaaSなど)
専用のデータ連携ツールを導入し、開発工数を抑えつつ基盤を構築する方式です。リアルタイムなシステム間連携を得意とするEAI(Enterprise Application Integration)、大量データのバッチ処理に優れたETL(Extract, Transform, Load)、クラウドサービス間の連携に特化したiPaaS(Integration Platform as a Service)などがあり、要件に応じて最適なツールを選択します。
API連携基盤としての活用と仕組み
API連携基盤とは、システム同士をAPI(Application Programming Interface)を介して直接つなぎ、リアルタイムなデータの送受信を実現する仕組みです。多くのクラウドサービスや最新の基幹システムはAPIを標準で公開しており、これらをAPI連携基盤で統合することで、タイムラグのないシームレスな業務プロセスを構築できます。API連携基盤を活用して業務の自動化を実現した事例を紹介します。
ユニファ株式会社の事例
保育施設向け総合ICTサービス「ルクミー」を提供する同社では、商談管理の「Salesforce」、個別業務管理の「kintone」、サービス利用管理の自社開発「ルクミー」間で顧客情報の3重管理が発生していました。そこで、ノーコードのデータ連携ツール(iPaaS)「ASTERIA Warp Core」を導入し、これら3つのデータベース間をAPIで接続しています。いずれかのシステムでデータが更新されるとイベントを検知し、フォーマット変換済みのデータを他のシステムへ自動で書き込む処理を構築しました。顧客データの同期に加え、「Slack」への自動通知や「Google BigQuery」への分析用データ転送も実施しています。これにより手作業による3重入力が排除され、顧客データ管理にかかる業務効率が手作業と比較して10倍に向上しました。約40本の連携自動化処理が稼働しており、エンジニアが不在の担当部門が内製で構築・運用しています。ノーコード開発によって開発工数を70%削減し、概ね10日以内で実装から本番リリースを完了させました。
出典:Asteria Corporation
株式会社日立ソリューションズの事例
同社のカスタマーサポート業務では、「Zendesk」、契約情報管理ツール、「Box」、「Microsoft Teams」を利用していましたが、システム間は連携しておらず、新規契約時のアカウント作成やフォルダ作成、報告などを手作業で行っていました。そこでiPaaS「Workato」を導入し、Zendeskを中心としたSaaS群を統合するワークフローを構築しました。新規契約情報の登録をトリガーに、Zendeskの顧客アカウント自動生成、Box上の専用フォルダ作成とアクセス権限の自動付与を行っています。また、Zendeskでのチケット起票やステータス更新をWebhookで検知してMicrosoft Teamsへリアルタイム通知を行っているほか、サポート履歴データを「Power BI」へ自動連携し、顧客のヘルススコアを可視化するダッシュボードを自動更新しています。さらに、対応が完了したチケットの内容を「Azure OpenAI」のAPIに連携させ、過去の解決ロジックをもとにFAQ記事の草案を生成AIに自動作成させています。検討開始から約3ヶ月で実装を完了し、サブスクリプションサービスの解約額を75%削減、サポートオペレーション関連コストを10%削減しました。Azure OpenAIとのAPI連携により、FAQ記事の作成件数は従来の約3倍に増加しています。
出典:株式会社日立ソリューションズ
API連携基盤と従来のデータ連携方式の違いと使い分け
API連携基盤と、従来のデータ連携方式(CSVファイル連携やデータベースへの直接接続)の最大の違いは「リアルタイム性」と「システムの独立性」にあります。
ファイル連携は、夜間バッチなど特定のタイミングで大量のデータをまとめて処理するのに向いていますが、データの反映にタイムラグが生じます。データベース直接連携は高速ですが、システム同士が密結合になるため、一方の仕様変更がもう一方に影響を与えるリスクがあります。
対してAPI連携基盤は、必要なデータを必要な瞬間に呼び出すことができるため、在庫の引き当てや顧客情報の参照など、即時性が求められる業務プロセスに最適です。自社の業務要件(リアルタイム性が必要か、大量データのバッチ処理で十分か)に応じて、これらの方式を使い分ける、あるいは組み合わせることが重要です。
データ連携ツール(連携方式)の選定ポイント
EAIかETLか?自社に合うツールの見極め
ツールの選定において、連携の目的が「業務プロセスのリアルタイムな自動化」であればEAIやiPaaSが適しています。一方、目的が「大量のデータをデータウェアハウスに集約し、BIツールで分析すること」であれば、大容量データの高速処理に特化したETLツールを選択するのが基本となります。
連携したいシステム・データ形式との互換性
自社で利用している既存の基幹システム、データベース、SaaS製品とスムーズに接続できるかを確認することが重要です。優秀なデータ連携ツールには、主要なシステム向けの専用アダプタやコネクタが標準で用意されており、複雑なAPI連携の実装を意識することなく接続設定を行うことができます。
開発・設定が容易か(ノーコード/ローコードの有無)
連携処理の構築に高度なプログラミング知識が必要なツールは、情報システム部門の特定担当者に業務が集中する「属人化」を招きます。GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)上でアイコンを繋ぎ合わせるなどの直感的な操作で設定が完了する、ノーコードまたはローコード対応のツールを選ぶことで、現場主導での迅速な連携設定が可能になります。
拡張性やカスタマイズ性があるか
事業の成長に伴い、連携するデータ量やシステムの数は増加する傾向にあります。ツール選定時には、将来的なトランザクションの増加に耐えうる処理性能(スケーラビリティ)があるか、また、標準コネクタで対応できないシステムに対してカスタムスクリプトを組み込める柔軟性があるかを評価します。
セキュリティ対策が十分か
企業間の取引データや個人情報など、機密性の高いデータを扱うため、堅牢なセキュリティ機能は必須です。通信経路の暗号化、ユーザーごとの詳細なアクセス権限設定、いつ誰がどの連携処理を実行・変更したかを追跡できる監査ログ機能が備わっているかを厳格に確認する必要があります。
データ連携ツール(EAI・ETL・iPaaS)の導入コスト相場
ツール導入を検討する際、費用感の把握は不可欠です。クラウドベースで手軽に始められる「iPaaS」の場合、初期費用は無料〜数十万円、月額料金は連携するシステム数やデータ量に応じて数万円〜数十万円程度が一般的な相場です。
一方、社内の複雑なシステム統合を担うオンプレミス型の「EAI」や、大規模なデータ処理に特化した「ETL」のパッケージ製品を導入する場合、初期のライセンス費用や構築支援費用として数百万円〜数千万円規模となるケースもあり、さらに年間の保守費用が発生することが一般的です。
自社のデータ規模と予算のバランスを見極めて選定することが重要です。
代表的なデータ連携ツール(製品)の例と特徴
具体的なツール選定の参考として、国内でよく利用されている代表的な製品の特徴を比較・紹介します。
- ASTERIA Warp(アステリア):
国内シェアトップクラスのEAIツールです。100種類以上の接続アダプタを備え、ノーコードでの直感的な開発が可能なため、内製化を進めたい企業に高く評価されています。 - DataSpider Servista(セゾン情報システムズ):
GUIを用いたドラッグ&ドロップの操作と、多種多様なデータソースへの接続コネクタが豊富なEAIツールです。システム間の複雑な連携処理を短期間で構築できます。 - HULFT(セゾン情報システムズ):
ファイル連携のデファクトスタンダードとして、金融機関や製造業などで高い信頼性と実績を持つツールです。安全・確実なデータ転送に強みを持ちます。 - Boomi / Workato:
SaaSなどのクラウドサービス間の連携に強みを持つ、グローバルで評価の高いiPaaS製品です。豊富なAPIコネクタと自動化の仕組みを備えています。
データ連携基盤の構築ステップとリスク管理
成功に近づくための具体的な構築ステップ
データ連携基盤の構築は、まず「どの業務課題を解決するために、どのシステム間のデータをつなぐか」という要件定義から始まります。次に、対象となるデータの棚卸しとデータ定義の統一(マスタの整備)を行います。その後、要件に合致するツールの選定、テスト環境での連携テストを経て、段階的に本番環境への適用を進めるのが推奨される手順です。
導入におけるデメリットと運用上の課題
データ連携基盤の導入には、メリットだけでなくいくつかのデメリットや課題も存在します。まず、専用ツールの導入や初期構築に一定の「初期コスト」と、ツールを使いこなすための「学習コスト」が発生します。また、システムを導入して終わりではなく、連携エラー時の対応や、システム改修に伴う連携フローのメンテナンスを行う「運用体制の構築」が不可欠です。無計画に連携フローを増やしすぎると、かえってシステム構成が複雑化し、障害時の原因特定が困難になるリスク(スパゲティ化)もあるため、全体最適の視点を持った運用設計が求められます。
構築リスクとその対応策(データ不整合、部門間調整、属人化の防止)
構築時の最大のリスクは、システム間でデータの意味や粒度が異なることによる「データ不整合」です。これを防ぐには、システム単体の視点ではなく、全社横断的なデータマネジメントの視点を持つプロジェクトチームの組成が不可欠です。また、特定の担当者しか連携フローを理解していない属人化を防ぐため、設計書や設定内容のドキュメント化を運用ルールとして徹底します。
データ連携基盤の導入実態と活用事例
企業におけるデータ連携基盤の導入事例
データ連携基盤を導入することで、複雑なシステム間連携を短期間で構築し、業務の自動化を実現した企業の事例を紹介します。
日機装株式会社の事例
同社の航空宇宙事業本部において、ベトナム工場と宮崎工場にERP、PLM、MESを一斉導入するプロジェクトが実施されました。システム間の連携にデータ連携ツール「DataSpider Servista」を導入し、ドラッグ&ドロップの操作によるノーコード環境を活用しています。これにより、ERP、PLM、MESを接続する合計8つの連携インターフェースを約3ヶ月で開発しました。また、開発画面上で連携処理のログを確認し、エラー箇所を特定する仕組みも構築されています。
出典:日立システムズ
i-PRO株式会社の事例
2019年の独立に伴い、2年以内に自社の基幹システムや生産関連システムを本稼働させるプロジェクトが実施されました。SAP S/4HANA、Salesforce.com、CELF、PLM、MES、ASPROVA等の連携のため、全社共通基盤として「ASTERIA Warp」が導入されています。データ連携処理を共通化・テンプレート化することで、214本の連携インターフェースを約4ヶ月で構築し、1本の連携処理の構築時間を最短約10分に短縮しました。さらに、SharePointアダプタを利用し、外部の物流委託先(3PL)に対する通関書類のPDF送付プロセスを自動化しています。
出典:アステリア
自治体におけるエリアデータ連携基盤の導入実態と共同利用のビジョン
行政分野では、デジタル庁や内閣官房の指針に基づき、防災、交通、医療などの地域データを統合するエリアデータ連携基盤の構築が進んでいます。単独の自治体での構築にとどまらず、複数自治体が共同で基盤を利用することで、広域でのデータ連携やシステム構築・維持コストの削減を目指すビジョンが、一般社団法人データ社会推進協議会等によって推進されています。実際に、エリアデータ連携基盤を構築し、共同利用を進めている自治体の事例を紹介します。
香川県高松市の事例
2017年10月に「スマートシティたかまつ推進協議会」を設立し、オープンソースソフトウェア「FIWARE」を活用したIoT共通プラットフォームを構築しました。市内の河川や港湾等に設置したIoTセンサーの動的データと、県のオープンデータ(雨量等)やハザードマップ等の静的地図情報を掛け合わせ、計14種類の防災関連データをダッシュボード上に一元化しています。さらに、2020年3月に近隣の観音寺市および綾川町と協定を締結し、「負担金方式」で既存のデータ連携基盤を共同利用することで、3市町の気象、河川水位、道路通行情報を単一の基盤に集約しました。
出典:高松市、内閣官房、内閣府
大阪府の事例
府下の全43市町村が利用可能な「大阪広域データ連携基盤(ORDEN)」を整備し、他都道府県に対しても2027年度までに15自治体以上の共同利用を目指して接続を呼びかけています。住民向けポータルアプリ「my door OSAKA」では、マイナンバーカードによる共通IDを用いて、保育施設の入所調整や健康イベントの申し込みなど複数分野の行政サービスへシングルサインオンでアクセスできる仕組みを提供しています。また、データカタログサービス「ODPO」では、行政や民間企業が保有するデータの仕様や更新頻度を可視化し、APIやGUIを通じてデータの登録・取得を仲介しています。
出典:国土交通省、大阪府、内閣官房、デジタル庁、内閣府
【製造業向け】データ連携・受発注システム構築における「行き詰まり」
受発注システムの4つの構築方式
製造業における受発注システムのWeb化やデータ連携を検討する際、自社の業務要件に合わせた適切な構築方式の選択が不可欠です。詳しくは「製造業・BtoB向け受発注システムおすすめ徹底比較!SaaSの限界と選び方」も参考にしてください。構築方式は大きく以下の4つに分類されます。
受発注のWeb化には、SaaS型(低コスト・短期間だが仕様に業務を合わせる必要がある)、パッケージ型(設定範囲内でカスタマイズ可能)、フルスクラッチ開発(自由だが数千万円規模・半年以上)、そしてOSSベースの構築(EC-CUBEなどを土台に業務要件へカスタマイズする中間的な方式)の4つの選択肢があります。取引先ごとの価格条件や基幹システム連携など、SaaSの標準機能を超える要件がある場合はOSSベースが有力な選択肢になりますが、SaaSより構築期間と初期費用は大きくなります。
SaaSの罠と「現状維持」への逆戻り
汎用的なSaaSは標準化を強いるため、製造業特有の得意先別価格、代替品番、独自の承認フローなどの例外処理に対応しきれません。また、既存の基幹システム(ERP)と深く連携できない結果、システムの外でExcelやFAXによる手作業が復活し、二重管理という「行き詰まり」に陥る構造的な問題があります。
解決への第一歩:「業務のやり方を変えずに媒体だけをデジタル化する」
現場の反発を生まない「FAX受注自動化」からのスタート
システム導入時の最大の障壁は「現場や取引先のやり方が変わること」への反発です。取引先にはFAXのままでいてもらい、媒体(FAX・電話・紙)だけをデジタルに置き換えることが有効な第一歩となります。
蓄積された受注データが将来の拡張の土台になる
無理なくデジタル化された受注データが蓄積されることで、それが将来の在庫最適化や高度なDXへの「階段の一段目」となります。予兆コマースなどの高度な仕組みも、この基盤の上で続く将来の拡張として実現可能になります。
製造業の複雑な商流に適応する「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket」
業務にシステムを適応させる「業務適応型コマース基盤」
「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket」は、産業機器・業務用機器メーカー向けの保守部品販売・BtoB受発注DXプラットフォームです。SaaSのように「システムに業務を合わせる」のではなく、代理店商流・顧客別の取引条件・既存基幹システムとの連携など、自社固有の商流に合わせて構築できる「業務適応型コマース基盤」であることが最大の特長です。
保守部品販売・BtoB受発注DXを実現する中核機能
既存のFAX受注の仕組みを変えずに始められる「FAX受注自動化(AI-OCR)」により、入力作業を自動化します。また、図面やBOM(部品表)からの適合部品特定を行う「パーツセレクター」や、納入機器と適合部品の紐づけ機能により、問い合わせ対応の負荷を軽減します。さらに、代理店商流や顧客別条件、既存基幹システム(ERP)連携にも対応し、将来の拡張として、設備稼働データとAIの予兆検知を組み合わせた「予兆コマース」へ段階的に拡張できます。
EC-CUBEでのBtoB・商流デジタル化の実績
複雑な商流(自動見積・ロット別価格)のデジタル化事例
敷島産業株式会社様では、顧客ごとに異なるロット条件や自動見積など、複雑な商取引のデジタル化を実現しています。
基幹・倉庫データ連携のBtoB EC事例
オフィスコム株式会社様では、基幹システムや倉庫データとの深い連携を実現し、大規模なBtoB ECサイトを安定して稼働させています。
約1万アイテムのBtoB受発注網の刷新事例
UCCコーヒープロフェッショナル株式会社様では、約1万アイテムに及ぶ膨大な商品データと受発注網の刷新事例として、EC-CUBEの強固な基盤が活用されています。
加盟店管理を含む大規模運用の事例
株式会社ダスキン様では、全国規模の加盟店管理と複雑な商流を統合する大規模運用において、柔軟なカスタマイズ性が機能しています。
業務整理から伴走する「EC-CUBE Industry Experts」
業界実務を知る専門家が、事業の目的から業務課題と実現方針を整理し、システム構築まで伴走する支援サービスです。「システムは作れるが業務が分からない」という一般的なシステムベンダーの限界を突破し、複雑な業務要件が絡むプロジェクトにおいてスムーズなシステム構築を支援します。
まとめ:データ連携基盤の構築は組織に大きなメリットをもたらす
データ連携がもたらす業務効率化と競争力強化
データ連携基盤の導入は、分断されたデータを統合し、業務の自動化やリアルタイムな意思決定を実現します。手作業による転記ミスや非効率を削減することで、組織全体の生産性と競争力を大きく引き上げることが可能です。
自社の商流に合った最適な基盤選びを
製造業においては、無理にシステムに業務を合わせるのではなく、自社の商流や基幹システムに適合する基盤を選ぶことが成功の鍵となります。FAX・電話・紙の受発注がWebでどう変わるか、機能ごとの実現イメージをまとめた図解資料を、画面のフォームからお受け取りいただけます(入力はメールアドレスのみ)。



