O2Oマーケティング成功事例17選!具体例から学ぶ成功の秘訣とシステム構築の壁

#ECの知識

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スマートフォンの普及により、オンライン(Webやアプリ、SNS)からオフライン(実店舗)へ顧客を誘導する「O2O(Online to Offline)マーケティング」は、小売業にとって売上を左右する欠かせない戦略となりました。

しかし、「アプリや位置情報を活用したいが、他社が具体的にどんな施策で成果を出しているのか知りたい」「いざ施策を考えたものの、店舗のPOSや在庫データとの連携で行き詰まってしまう」と悩む担当者は少なくありません。

本記事では、国内・海外のO2Oマーケティング成功事例17選を具体例とともに徹底解説します。施策成功の秘訣から、O2O最大の障壁となる「システム連携の壁」を突破するシステム構築の最適解まで網羅しているため、自社の実店舗集客と売上を最大化するヒントが見つかるはずです。

目次

【一覧表】O2Oマーケティング成功事例・具体例まとめ

O2O(Online to Offline)マーケティングの成功事例と、各企業が実践した主な施策の具体例を一覧表で紹介します。オンラインから実店舗への送客を検討する際の参考にしてください。

国内のO2O成功事例10選

  • ビックカメラ:ポイントカードのアプリ化、位置情報(GPS・ビーコン)を活用したプッシュ通知による来店促進
  • ユニクロ:公式アプリを核としたECと店舗の在庫連携、店舗受取サービスによるオムニチャネル化
  • 無印良品:会員アプリ「MUJI passport」による店舗チェックインや購買履歴に応じたマイル付与
  • スターバックス:モバイルアプリでの事前注文・決済(モバイルオーダー&ペイ)による待ち時間削減
  • 日本マクドナルド:モバイルオーダーによる行列解消と、アプリ限定クーポンによる来店頻度の向上
  • @cosme TOKYO:オンラインコミュニティの口コミデータをリアル店舗の売り場作りに反映
  • 資生堂:美容部員(パーソナルビューティーパートナー)によるオンラインカウンセリングと実店舗送客
  • 青山商事(SUIT SQUARE):店舗に在庫を持たず、ECサイトの在庫から購入できる「デジタル・ラボ」店舗の展開
  • 東急ハンズ:ECサイト上で各実店舗の在庫状況をリアルタイムに可視化し、取り置き依頼を可能に
  • バーガーキング:SNS(Xなど)を活用し、ユーザーを巻き込んだキャンペーンによる店舗への誘導

海外・ユニークなO2O成功事例7選

  • Amazon Go:画像認識とセンサー技術を活用したレジなし店舗による摩擦のない購買体験
  • アリババ「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」:実店舗をECの物流拠点として活用し、半径3km以内の30分配送を実現
  • Sephora(セフォラ):店舗でのメイク体験データをアプリに記録し、オンラインでの継続購入を促進
  • IKEA(イケア):AR(拡張現実)アプリで家具の配置シミュレーションを行い、実店舗での購買行動を支援
  • 無料Wi-Fiネットワーク名の活用:店舗周辺の無料Wi-Fi名をキャンペーン告知に変更し、見込み客を誘導
  • 居眠り防止アプリの活用:運転中の居眠りを検知すると、最寄りの自社コーヒーチェーンへのルートとクーポンを表示
  • 無料の工具貸し出し:DIY用の工具を無料で貸し出すことで、付随する材料(木材や塗料)の実店舗での売上を増加

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O2O(Online to Offline)とは?基礎知識と注目される理由

O2Oとは、オンライン(Webサイトやアプリ、SNSなど)での情報発信を通じて、顧客をオフライン(実店舗)へと誘導するマーケティング手法です。スマートフォンの普及により、消費者の購買行動がデジタルとリアルを行き来するようになった現在、小売業を中心に欠かせない戦略となっています。

O2Oの意味とマーケティングにおける目的

O2O(Online to Offline)の主な目的は、インターネット上の見込み客を実店舗に送客し、実際の購買行動や来店体験に結びつけることです。具体的には、アプリを通じた割引クーポンの配信、SNSでの新商品告知、ECサイトでの店舗在庫の確認などが該当します。オンラインの拡散力と、オフラインの「商品を直接見て触れる」という体験価値を掛け合わせることで、売上の最大化を図ります。

類似用語(オムニチャネル・OMO)との違い

O2Oと混同されやすいマーケティング用語に「オムニチャネル」と「OMO」があります。O2Oが「オンラインからオフラインへの一方通行の送客」に主眼を置いているのに対し、オムニチャネルは「すべての販売チャネル(店舗、EC、SNSなど)をシームレスに連携させ、どこでも同じ購買体験を提供する」ことを目指します。さらに発展したOMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフラインの境界線をなくし、「デジタルを前提とした顧客体験の構築」を意味します。

オムニチャネル戦略で売上最大化を目指す!成功事例から学ぶ戦略と実現への道筋【徹底解説】

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なぜ今O2Oが重要なのか?注目される3つの理由

O2Oマーケティングが急速に普及し、重要視されている背景には、以下の3つの理由が存在します。

モバイルデバイス(スマートフォン)の爆発的な普及

消費者が常にスマートフォンを持ち歩くようになったことで、企業は時間や場所を問わず顧客にアプローチできるようになりました。現在地に基づいたプッシュ通知や、店舗の近くにいるユーザーへのタイムリーなクーポン配信など、位置情報を活用した精度の高い送客が可能になっています。

SNSによる事前の情報収集の一般化

消費者は実店舗を訪れる前に、InstagramやX、TikTokなどのSNSで商品を検索し、口コミやレビューを確認する行動が一般化しています。企業側がSNSで魅力的なコンテンツを発信し、購買意欲を高めた状態で店舗へ誘導する動線設計が、売上を左右する重要な要素となっています。

実店舗ならではの「購買体験」の再評価

ECサイトでの買い物が便利になる一方で、「商品を実際に試したい」「店員から直接アドバイスを受けたい」という実店舗ならではの体験価値が再評価されています。O2Oは、デジタルの利便性を提供しつつ、最終的な購入の場として実店舗の強みを最大限に活かすための有効な手段です。

O2Oマーケティングを導入するメリット・デメリット

O2Oマーケティングは、高い即効性と効果測定のしやすさが魅力ですが、同時にシステム連携などの課題も抱えています。メリットとデメリットの双方を正しく理解することが、施策成功の第一歩です。

O2Oのメリット

O2Oマーケティングを導入することで、企業は顧客との接点を増やし、来店促進や売上向上に直結する具体的な効果を得られます。

施策の即効性が高い(プッシュ通知やクーポンですぐに来店を促せる)

O2O最大のメリットは、施策を打ってから顧客が来店するまでのリードタイムが非常に短いことです。雨の日に合わせた限定クーポンの配信や、タイムセールのプッシュ通知など、状況に応じた施策をリアルタイムで実行でき、即座に実店舗への集客効果を見込むことができます。

効果測定が容易(クーポンの利用率などでROIが明確になる)

従来のチラシやテレビCMなどのオフライン広告とは異なり、O2O施策は効果測定が容易です。アプリ経由で配信したクーポンの利用回数や、ECサイトから店舗受取を選択したユーザー数などをデジタルデータとして正確に追跡できるため、投資対効果(ROI)を明確に把握し、施策の改善に繋げることができます。

新規顧客の獲得とリピーター育成がしやすい

SNSでのキャンペーン拡散による新規顧客の獲得から、アプリを通じたポイント付与や会員ランク制度によるリピーター育成まで、顧客のフェーズに合わせたアプローチが可能です。オンラインの接点を維持し続けることで、顧客の離反を防ぎ、LTV(顧客生涯価値)の向上に寄与します。

O2Oのデメリットと課題

O2Oマーケティングを本格的に推進する上では、事業構造上のリスクと、システム構築における技術的なハードルが存在します。

店舗とECでの顧客の奪い合い(カニバリズム)が発生するリスク

組織内で実店舗部門とEC部門の評価軸(売上目標)が分かれている場合、顧客を奪い合うカニバリズムが発生するリスクがあります。ECで商品が売れても実店舗の評価に繋がらない構造では、現場のスタッフがO2O施策に協力しなくなるため、全社的な評価制度の見直しとマインドセットの共有が不可欠です。

初期のシステム開発コストとデータ連携の難しさ

O2Oを高度化し、「ECサイトのポイントを実店舗で使う」「店舗の在庫状況をECでリアルタイムに確認する」といった体験を提供するには、既存のPOSレジや基幹システムと、ECシステムのデータ連携が必須となります。一般的なSaaS型ECカートでは連携に制限があることが多く、システム開発の初期コストや技術的なハードルがO2O推進の大きな壁となります。

O2Oマーケティングの具体的な施策・手法(具体例)

O2Oマーケティングには、目的やターゲット顧客の層に合わせて多様なアプローチ手法が存在します。実店舗への送客を実現するための具体的な施策例を解説します。

アプリ開発(クーポン配信・事前注文・ポイント連携)

自社専用のスマートフォンアプリを開発し、顧客の端末に直接アプローチする手法です。アプリ限定の割引クーポンの配信、来店前の事前注文と決済(モバイルオーダー)、実店舗とECで共通して使えるポイント機能の提供など、顧客ロイヤルティを高めるための強力なプラットフォームとして機能します。

SNS活用(情報発信・キャンペーン・LINE公式アカウント連携)

Instagram、X、TikTokなどのSNSを活用し、新商品情報や店舗イベントを告知して来店を促します。また、LINE公式アカウントを利用して、友だち登録者へのメッセージ配信やデジタルショップカードの発行を行う手法は、開発コストを抑えつつ高い到達率を見込めるため、多くの企業で導入されています。

位置情報(GPS・ビーコン)を活用したプッシュ通知

スマートフォンのGPS機能や、店舗内に設置したビーコン(Bluetooth発信機)を活用し、顧客が特定のエリアに近づいた際に自動でプッシュ通知を送る施策です。「近くの店舗で使えるタイムセールクーポン」などを配信することで、購買意欲が高まっているタイミングを逃さず来店へ誘導します。

サイト運営・EC連携(店舗在庫の可視化)

ECサイト上で、各実店舗のリアルタイムな在庫状況を確認できるようにする施策です。顧客は「今から行く店舗に欲しい商品があるか」を事前に把握できるため、来店時の品切れによる機会損失を防ぎます。ECサイトで注文して店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」も、強力なO2O施策の一つです。

オフラインからオンラインへの誘導(QRコード・バーコードスキャン)

実店舗のポスターや商品パッケージにQRコードを印刷し、オンラインのキャンペーンページやECサイトへ誘導する手法です。また、店舗で在庫切れだった商品を、店頭のタブレットや顧客のスマートフォンからECサイト経由で注文・自宅へ配送させる仕組みは、販売機会の最大化に貢献します。

【国内】O2Oマーケティングの成功事例 10選

日本国内の企業が実践し、大きな成果を上げているO2Oマーケティングの代表的な成功事例を10社紹介します。各社がどのようにオンラインとオフラインを接続しているのか、具体的な施策を解説します。

ビックカメラ|ポイントカード・アプリ連携と位置情報による送客

ビックカメラは、公式アプリや会員メニューでビックポイントカードをスマホ利用できるようにし、ビックカメラ.comやアプリで店舗在庫確認や店舗取り置きも可能にしています。さらに、位置情報を活用した来店促進施策も実施してきました 。

ユニクロ|公式アプリを核とした購買体験の向上とオムニチャネル戦略

ユニクロは、公式アプリやLINE、オンラインストアの会員情報を連携させ、購入履歴を共通で確認できる仕組みを整えています。店舗では会計時に会員証をスキャンすることで購入商品が記録され、オンラインと店舗をまたいだ買い物体験を提供しています。

無印良品|会員アプリ「MUJI passport」による購買行動の可視化

無印良品を展開する良品計画は、会員アプリ「MUJI passport」を通じてO2Oを推進しています。店舗での購入やチェックイン、商品レビュー投稿などの行動に応じてMUJIマイルが貯まり、会員情報や購入履歴とひも付けることで、顧客行動の可視化と施策立案に活用しています 。

スターバックス|モバイルアプリと事前注文(モバイルオーダー)によるリピーター創出

スターバックス コーヒー ジャパンは、公式アプリの「Mobile Order & Pay」を通じて、来店前の注文・決済を可能にし、店頭での待ち時間を短縮しました。これにより利便性が高まり、顧客体験の向上や来店機会の拡大につながっています。

日本マクドナルド|モバイルオーダーによる行列を緩和する新体験

日本マクドナルドは、公式アプリでのクーポン配信に加え、モバイルオーダーを導入してO2Oを強化しています。店舗の客席やドライブスルーから事前注文できる仕組みにより、レジ待ちの緩和や利便性向上を図っています。

@cosme TOKYO|オンラインコミュニティのリアル店舗化

コスメ情報サイト「@cosme」を運営するアイスタイルは、オンラインで蓄積した口コミやランキングデータを実店舗(@cosme TOKYOなど)の売り場づくりに反映しています。店舗では人気商品を試しやすい環境を整え、オンラインで生まれた関心をオフラインの購買体験につなげています。

資生堂|パーソナルビューティーパートナーによるOMO/O2O戦略

資生堂は、パーソナルビューティーパートナーによるライブコマースやWebカウンセリングを通じて、オンラインで個別の美容提案を行っています。そこで得た顧客ニーズをもとに、実店舗で色味や質感を試せる体験へつなげることで、OMO/O2Oを推進しています。

青山商事「SUIT SQUARE」|店舗在庫のデジタル拡張

青山商事の「SUIT SQUARE」は、店舗に大量在庫を置かず、店内の大型タッチパネル端末やタブレットを通じてECの豊富な商品群から選べる仕組みを導入しています。省スペース化を進めながら、店舗体験とオンラインの品揃えを両立する事例です。

東急ハンズ|ECサイトの在庫情報をリアル店舗と連携

東急ハンズは、自社ECサイト「ハンズネット」で店舗在庫を確認できる仕組みを整え、近隣店舗の在庫を見たうえで店舗受取を選べるようにしています。来店前の不安を減らし、スムーズな購買につなげるO2O施策です。

バーガーキング|SNSを活用した巻き込み型キャンペーンの実施

バーガーキングは、XなどのSNSを活用した参加型キャンペーンやユーモアのある発信で話題を生み、オンラインでの認知拡大を店舗集客につなげています。クーポン配布なども組み合わせることで、SNS上の反応を来店行動へと結びつけています。

【海外・ユニーク】O2Oのグローバル成功事例 7選

海外の先進的な企業や、ユニークなアイデアでO2Oマーケティングを成功させた事例を7つ紹介します。国内事例とは異なる視点から、オンラインとオフラインを繋ぐヒントを探ります。

Amazon Go|レジなし店舗による新たな購買体験

Amazon Goは、専用アプリで入店し、商品を手に取って退店するだけで自動決済される「レジなし店舗」です。カメラやセンサー、AIを活用して会計の手間をなくし、従来の店舗における購買体験を大きく変えました。

アリババ「盒馬鮮生」|オンラインとオフラインを融合した新小売モデル

中国のアリババグループが展開する「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」は、実店舗を配送拠点として活用し、アプリ注文した商品を近隣エリアへ短時間で届けるニューリテールの代表例です。店舗での生鮮食品の購買体験と、ECの高い利便性を融合しています。

Sephora|美容業界のオムニチャネル・O2O先駆者

Sephoraは、店舗でのメイクアップ体験とデジタルをシームレスに結びつけるオムニチャネル/O2Oの代表例です。店舗での試用体験をオンラインに連携し、後日のリピート購入につなげることで、店舗を体験の場、アプリを継続購入の場として機能させています。

IKEA|ARと会員データで実現する購買支援

IKEAは、ARアプリ「IKEA Place」を通じて、自宅の部屋に原寸大の3D家具を配置し、サイズ感やデザインを確認できる仕組みを提供しています。購入前の不安を減らし、オンラインでの検討から実店舗での最終確認・購入へつなげる支援を行っています。

無料Wi-Fiのネットワーク名を活用した見込み客の来店促進

海外の飲食店では、店舗周辺で見える無料Wi-FiのSSIDをキャンペーン告知に活用し、通行人に割引情報を伝える施策を実施しました。スマートフォンでWi-Fiを探す人の目に触れることで、低コストで近隣の来店を促すO2Oの工夫です。

居眠り防止アプリからコーヒーチェーンへの誘導

あるコーヒーチェーンは、スマートフォンのカメラでドライバーの眠気の兆候を検知するアプリを開発しました。眠気を検知すると警告とあわせて最寄り店舗への案内やクーポンを表示し、安全運転支援と来店促進を両立させています。

無料の工具貸し出しによる売上25%アップ施策

海外のホームセンターでは、DIY用の電動工具を無料で貸し出すキャンペーンを実施しました。工具を借りるために来店した顧客が、木材や塗料、ネジなどの関連資材も同時に購入することで、店舗の売上向上につなげました。

O2O施策を本気で成功させるための6つのステップ・ポイント

他社の成功事例をそのまま真似るだけでは、O2Oマーケティングは機能しません。自社の事業に落とし込み、成果につなげるための6つの重要なステップとポイントを解説します。

1. 顧客視点でターゲット像とカスタマージャーニーを明確にする

O2O施策の第一歩は、「誰に」「どのような経路で」来店してほしいのかを定義することです。ターゲットとなる顧客の年齢層やライフスタイルを明確にし、SNSでの認知からアプリのダウンロード、実店舗での購買、アフターフォローに至るまでの一連の行動プロセス(カスタマージャーニー)を可視化します。顧客の行動のどの段階でオンラインからオフラインへの誘導が最も効果的かを特定することが重要です。

2. 店舗ならではの魅力・購買体験を最大限に高める

オンラインで強力な集客を行っても、受け皿となる実店舗の魅力が乏しければ顧客は定着しません。「実物を見てサイズ感を確認できる」「専門知識を持ったスタッフから提案を受けられる」「その場で商品を持ち帰れる」など、ECサイトでは代替できない実店舗ならではの購買体験(CX)を磨き上げることが、O2Oを成功させる大前提となります。

3. 新規顧客獲得とリピーター育成のバランスを取る

O2O施策は、「新規顧客の獲得」と「既存顧客のリピート促進」の2つの軸で設計する必要があります。SNSのキャンペーンや初回限定クーポンで新規顧客を店舗へ誘導した後は、アプリのポイントプログラムや会員ランク制度、定期的なプッシュ通知を活用し、再来店を促す仕組みを構築します。獲得と育成のバランスを保つことで、安定した収益基盤を作ります。

4. 在庫情報と会員データ(オンライン・オフライン)を一元化する

O2Oを高度化するためには、ECサイトと実店舗のデータを統合することが不可欠です。顧客がECと店舗のどちらで購入してもポイントが貯まる仕組みや、サイト上で店舗の在庫状況を正確に表示する仕組みは、データの一元化なしには実現しません。既存のPOSレジや基幹システムとECをいかに連携させるかが、O2Oプロジェクト最大の難関となります。

5. 短いサイクルでデータ分析・数値検証と改善を繰り返す

O2O施策は一度実行して終わりではなく、取得したデータを基に継続的な改善を行うことが求められます。配信したクーポンの利用率、アプリの起動頻度、プッシュ通知の開封率、ECから店舗受取を選択した割合などの数値を定期的に分析し、仮説検証(PDCAサイクル)を高速で回すことで、施策の精度を高めていきます。

6. 社内組織(EC部門と店舗部門)の一体運営を目指す

システムやデータが統合されても、社内の組織が分断されていてはO2Oは機能しません。EC部門の売上と実店舗部門の売上を分けて評価する制度では、顧客の奪い合いが生じます。「EC経由で店舗受け取りをした売上は店舗の評価に加算する」など、全社的な評価指標(KPI)を統一し、両部門が協力して顧客体験の向上を目指す組織風土の醸成が必要です。

【重要】O2O・オムニチャネル化を阻む「システムの壁」と第三の選択肢

O2Oマーケティングを成功させるための最大の障壁は、表面的なアプリ開発やSNS運用ではなく、裏側にある「既存の店舗システムとECのデータ連携」です。このシステムの壁を突破するための最適な選択肢について解説します。

SaaSとフルスクラッチのジレンマ

O2Oを実現するためにECシステムを選定する際、多くの企業がSaaS(ASP)とフルスクラッチ開発の狭間でジレンマに陥ります。

SaaSの罠

初期費用を抑えて手軽に導入できる反面、システムがブラックボックス化されており、カスタマイズに限界があります。既存のPOSシステムや基幹システムとの複雑なデータ連携、独自のポイントプログラムの統合、店舗受取フローの構築などに対応しきれず、結局「システムに自社の業務を合わせる妥協」を強いられることになります。

スクラッチの罠

自社の要件に合わせてゼロから構築するため高い自由度が得られますが、初期費用が数千万〜数億円規模に膨れ上がります。また、開発したベンダーに依存してしまうリスクが高く、将来的な改修のたびに高額な費用が発生する技術的負債(ベンダーロックイン)の危険性を伴います。

ベンダーロックインとは?原因と7つのリスク、回避・脱却する具体策を徹底解説

解決策:業務適応型コマース基盤「EC-CUBE」

EC-CUBE公式サイト

SaaSの制約とフルスクラッチの高コストという行き詰まりを打破する「第三の選択肢」が、業務適応型コマース基盤である「EC-CUBE」です。EC-CUBEはオープンソースをベースとしているため、特定のベンダーに依存せず、ソースコードや顧客データを自社の「デジタル資産(持ち家)」として自社で保有できます。フルスクラッチよりも大幅にコストを抑えつつ、SaaSでは対応が難しい「既存の基幹システムとの高度な連携」や「企業固有の複雑なO2O商流」に合わせた柔軟なカスタマイズを実現します。

EC-CUBEを活用したO2O・オムニチャネル成功事例

実際にEC-CUBEのカスタマイズ性を活かし、複雑なシステム連携を伴うO2Oやオムニチャネル化を実現した企業の事例を紹介します。

【事例1】株式会社崎陽軒様(店舗受取・バックヤード運用の最適化)

シウマイで有名な株式会社崎陽軒様は、EC-CUBEを活用して「オンラインで予約・購入し、指定した実店舗で受け取る」という店舗受取予約システムを構築しました。

単なる店舗受取機能だけでなく、各店舗の製造キャパシティや配送時刻、リードタイムを考慮した複雑な受注制限・バックヤード運用をシステムに組み込んでいます。既存のECカートでは実現が困難だった独自の業務要件をEC-CUBEのカスタマイズ力で解決し、顧客の利便性と現場の運用負荷軽減を両立させています。

横浜のおいしさを創りつづける「シウマイ」の崎陽軒。お客様の利便性向上へ、デリバリーや店舗受取りに対応。店舗や配送バックヤードの運用整備を含めた全社を巻き込んだDXへの取り組み

【事例2】プラス株式会社様(オムニチャネルの実現)

オフィス家具・雑貨メーカーのプラス株式会社様は、リアルショップとECサイトのデータ連携を行い、EC-CUBEでオムニチャネル環境を構築しました。

店舗のPOSレジシステムとEC-CUBEを連携させることで、オムニチャネル化を推進しています。顧客体験の向上と同時に、基幹システムとの連携による業務効率化も実現しています。

ブランドの魅力を詰め込んだ、ECサイトをコアとしたOMOを構築。多様化する業界でのプラス㈱ファニチャーカンパニーの挑戦

【事例3】基幹・倉庫データ連携(オフィスコム様)

オフィス家具のECサイトを運営するオフィスコム株式会社様は、EC-CUBEをベースに、基幹データベースや倉庫データとの自動連携を実現しています。20万点を超える商品点数と、出荷元やリードタイムなどの複雑な配送条件をシステムに組み込み、正確で迅速な配送体制を構築しました。

顧客ファーストの徹底で売り上げ拡大。オフィスコム様の「ニーズに応えるBtoB ECづくり」に迫る

複雑なO2O要件(リユース・モール等)には上流工程からの伴走支援を

O2Oマーケティングの中でも、特定の業界やビジネスモデルにおいては、システム化の難易度がさらに跳ね上がります。複雑な要件を成功に導くためのアプローチを解説します。

「システムは作れるが業務が分からない」ベンダーの限界

例えば、実店舗での買取査定データとECの販売在庫をリアルタイムに連動させる「リユース業(中古品販売)」や、複数の実店舗や異なるブランドを一つのECプラットフォームに束ねる「モール型O2O」など、業務要件が極めて複雑なケースがあります。このようなプロジェクトを一般的なシステム開発会社に依頼すると、「言われた通りの機能は作れるが、O2O特有の業務フローや現場の課題を理解していない」ため、要件定義の段階でプロジェクトが破綻するか、現場で使えないシステムが納品されるリスクが高まります。

業界実務を知る専門家集団「EC-CUBE Industry Experts」

EC-CUBE Industry Experts

複雑な業務要件が絡むO2Oプロジェクトを成功させるには、システム開発のスキルだけでなく、業界の商流や実務に精通した専門家の知見が必要です。「EC-CUBE Industry Experts」は、単なる開発請負ではなく、事業の目的から現場の業務課題、実現すべきO2Oの全体方針を整理し、システム構築までを一気通貫で伴走する支援サービスです。リユース業やモール構築など、一般的なSaaSでは対応できない高度な要件を整理し、企業の成長を支える最適なコマース基盤へと落とし込みます。

まとめ:自社に最適なO2O事例を参考にマーケティングを加速させよう

O2Oマーケティングは、スマートフォンの普及とSNSの浸透により、オンラインから実店舗へ顧客を誘導する上で欠かせない戦略です。アプリの活用や位置情報によるプッシュ通知など、表面的な施策のアイデアは多くの成功事例から学ぶことができます。

しかし、O2Oを真の意味で成功させ、顧客にシームレスな購買体験を提供するためには、裏側にある「既存の店舗POSや基幹システムとECのデータ連携」というシステムの壁を突破しなければなりません。SaaSの機能制限やフルスクラッチのコスト高に行き詰まりを感じている場合は、自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズでき、デジタル資産として蓄積できる「EC-CUBE」の導入が有効な選択肢となります。

自社の商流に合わせたシステム統合を実現し、O2Oマーケティングの成果を最大化させましょう。

監修

株式会社イーシーキューブ

国内No.1シェアを誇るEC構築オープンソース「EC-CUBE」の開発元企業です。親会社の株式会社イルグルム(東証スタンダード市場上場)とも連携し、戦略立案から構築・運用・マーケティングまでワンストップのEC支援を行っています。これまで数多くのEC構築・改善を手がけてきた知見を活かし、実務に役立つノウハウや導入事例などを分かりやすく解説・発信しています。「ECサイトをどう作ればいいのか分からない」「既存サイトをもっと強化したい」「ECサイトの運営について詳しく知りたい」…そんなお悩みをお持ちの方々に、少しでもヒントとなる情報をご提供できれば幸いです。
※ 独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による

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