卸売業・商社向け基幹システム比較15選!複雑な商流を最適化する選び方

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卸売業・商社向け基幹システム比較15選!複雑な商流を最適化する選び方

卸売業や商社において、多階層の取引、複雑な単価設定、煩雑な在庫管理など、独自の商習慣に対応できる「基幹システム(販売管理システム)」の選定は企業の生命線です。

しかし、「パッケージを導入したものの自社の業務に合わず、結局Excel管理が残ってしまった」「フルスクラッチで開発するには数千万円のコストがかかる」と頭を抱える担当者は少なくありません。

この記事では、卸売業・商社向けに特化したおすすめの基幹システム15選を規模別に比較・解説します。さらに、システム選びで陥りがちな「2つの罠」と、自社の複雑な商流を「デジタル資産」へと変える最新のアプローチまで網羅しました。

【タイパ重視の読者へ】すぐにおすすめのシステム比較を見たい方は、「【結論】卸売業・商社向け基幹システムの比較表とおすすめ15選」の見出しへお進みください。

卸売業・商社向け基幹システム(販売管理システム)とは?

卸売業における基幹システムとは、商品の仕入れから在庫管理、得意先への販売(受発注)、そして売上・請求管理までの一連の業務プロセスを一元管理するシステムのことです。一般的には「販売管理システム」とも呼ばれます。

一般的な基幹システムとの違いと備えるべき標準機能

小売業やサービス業向けの一般的な基幹システムと異なり、卸売業向けシステムでは「BtoB特有の商習慣」に対応できるかが問われます。

  • 販売管理(受発注管理)
    企業ごとの個別単価、ボリュームディスカウント、リベート処理など。
  • 調達・仕入管理
    複数のメーカーや仕入先からの発注管理、直送手配など。
  • 在庫管理
    複数倉庫の管理、ロット別・有効期限別の在庫管理など。
    これらがシームレスに連動することで、初めて業務の効率化が実現します。

卸売業・商社特有の業務に対応する拡張機能・連携機能

さらに、卸売業の多様なビジネスモデルに対応するため、以下のような高度な機能や連携性が求められます。

  • 特殊な取引形態
    委託販売、消化仕入、輸出入管理(外貨対応)。
  • 流通加工
    セット品の組み上げや、ピッキング時の荷姿管理。
  • 外部連携
    得意先や仕入先とのEDI(電子データ交換)対応、会計システムやWMS(倉庫管理システム)とのAPI連携。

主な卸売・商社向け基幹システムの対応業種と業界特有の要件

卸売業と一口に言っても、取り扱う商材によって求められるシステム要件は全く異なります。ここでは代表的な3つの業種における特有の課題を解説します。

食品・飲料卸(賞味期限・ロット管理・トレーサビリティなど)

食品卸においては、食の安全を守るための厳格な管理が必須です。賞味期限や製造ロット番号の管理はもちろん、万が一不良品が発生した際に「どのロットが、いつ、どこへ出荷されたか」を即座に追跡できるトレーサビリティ機能が欠かせません。また、量販店向けの複雑なリベート計算や、不定貫(重量が一定でない商品)の管理も重要な要件となります。

アパレル卸(色・サイズ管理・シーズン管理など)

アパレル卸では、同一商品でも「色(カラー)」と「サイズ」の組み合わせ(SKU)によって膨大なアイテム数を管理する必要があります。さらに、春夏・秋冬といったシーズンごとの展示会受注管理や、トレンドの移り変わりに合わせた消化率の把握、委託販売先からの売上報告(消化仕入)への対応など、アパレル業界特有の商習慣にフィットするシステムが求められます。

【最難関】機械・建材・部品卸(取扱点数の膨大さ・代替品探索・組立品管理など)

数ある卸売業の中でも、システム化が最も困難(最難関)と言われているのが、機械・建材・部品卸です。数万〜数十万点に及ぶ膨大な取扱点数に加え、図面に基づく代替品の探索、親機に紐づく保守部品の管理、複数部品を組み合わせた組立品(BOM)の管理など、極めて属人的な業務が多発します。既存のパッケージシステムでは、この「部品探索」や「アフターサービスの複雑な受発注」をカバーしきれないケースがほとんどです。

卸売業に合った基幹システムを選ぶ際の比較ポイント(6つの基準)

自社に最適なシステムを選ぶためには、表面的な機能や価格だけでなく、長期的な運用を見据えた以下の6つの基準で比較検討することが重要です。

① 業界特有の業務課題を解決できるか(カスタマイズの対応範囲や方法)

前述したような業種特有の要件(ロット管理、SKU管理、部品探索など)に標準で対応しているかを確認します。対応していない場合、どの程度柔軟にカスタマイズができるかが重要です。

② 既存システムと連携しやすいか(二重入力の防止)

会計システム、WMS(倉庫管理システム)、CRM(顧客管理システム)、各種EDIなど、すでに稼働しているシステムとスムーズにデータ連携できるかを確認します。連携が不十分だと、手作業でのCSV取り込みや二重入力が発生し、ミスの原因になります。

③ 現場の従業員(ITスキルが高くない層)でも使いやすいか

どれほど高機能なシステムでも、現場の営業担当者や事務スタッフが使いこなせなければ意味がありません。直感的なUI(操作画面)か、入力作業の負担を軽減するアシスト機能があるかなど、現場目線での評価が必須です。

④ 導入コストと費用対効果が見合っているか

初期費用だけでなく、月額利用料、保守費用、将来のバージョンアップ費用を含めたTCO(総所有コスト)を算出し、業務効率化による人件費削減や売上機会の損失防止といったリターンと見合っているかを判断します。

⑤ 【重要】将来的なビジネスモデルの変化に追従できるか(デジタル資産化)

卸売業を取り巻く環境は激変しています。新たな商流の追加、D2C(消費者直接取引)への参入、海外展開など、数年後のビジネスモデルの変化に合わせてシステムを拡張できるか。単なるツールの導入ではなく、システムを自社の「デジタル資産」として蓄積・進化させていけるかが、今後の競争力を左右します。

⑥ 【重要】ベンダーロックインに陥らないか

特定のシステム会社(ベンダー)の独自技術に依存しすぎると、他システムへの乗り換えや他社での改修が困難になる「ベンダーロックイン」に陥ります。「改修見積もりが言い値になってしまう」「バージョンアップのたびに莫大な費用を請求される」といった事態を防ぐため、自社主導でコントロールできるアーキテクチャを選ぶことが極めて重要です。

卸売業の基幹システム導入を成功させるための4つのステップ

自社に最適なシステムを選定し、稼働を成功させるためには、以下のステップを踏むことが重要です。システム任せにせず、自社主導でプロジェクトを進めましょう。

Step1: 業務の棚卸しとRFP(提案依頼書)の作成

まずは現状の業務フロー(特に属人化している例外処理)をすべて洗い出します。その上で、「絶対にシステム化すべき必須要件(Must)」と「あれば便利な要件(Want)」を明確に切り分け、ベンダーに渡すためのRFP(提案依頼書)を作成します。

Step2: 複数ベンダーの比較検討とデモによる実機確認

RFPを元に、複数社から見積もりと提案を受けます。カタログスペックだけで判断せず、実際の業務フロー(例えば複雑な単価計算やロット引き当てなど)を想定した実機デモを必ず実施し、現場スタッフが操作性(UI)を確認することが失敗を防ぐ鍵です。

Step3: 要件定義とギャップフィット(Fit & Gap)分析

導入するシステムが決定したら、自社の業務要件とシステムの標準機能の間にどれだけ差(Gap)があるかを分析します。ここで、業務をシステムに合わせるのか、システムをカスタマイズするのかの重要な判断(Fit & Gap分析)を行います。

Step4: テスト稼働・マニュアル作成と本稼働

システムの設定やカスタマイズが完了したら、一部の部署や限られた業務範囲でテスト稼働(パラレルラン)を行います。現場向けのマニュアルを整備し、操作に習熟した段階で本稼働(カットオーバー)へと移行します。

【結論】卸売業・商社向け基幹システム(販売管理システム)の比較表とおすすめ15選

ここでは、国内で実績のある卸売業・商社向け基幹システムをターゲット規模別に15選ピックアップしました。
※ ただし、これらは非常に優秀なシステムであるものの、自社特有の「極めて複雑な商流」や「将来発生する独自の業務要件」に100%フィットするとは限りません。その点に留意しながら比較検討を進めてください。

卸売業・商社向け基幹システム15選 比較表

システム名 提供会社 ターゲット規模 主な特徴・強み
GrowOne 販売情報システム 株式会社ニッセイコム 中堅・大手 パッケージとスクラッチの長所を活かす「セミオーダー開発」
Creative Vision.NET 株式会社ディー・ティー・ピー 中堅・大手 アパレル特化。卸・店舗・ECの在庫を一元管理し独自BIで分析
WorkVision販売管理 株式会社WorkVision 中堅・大手 40年超の実績。機械・建材卸に強く、画面や業務を柔軟に設定可能
FutureStage 株式会社日立システムズ 中堅・大手 ノーコード/ローコードで拡張可能な最新クラウド型ERP
EXPLANNER/Ax 日本電気株式会社(NEC) 中堅・大手 50年・3万本の実績。必要なシステムだけを組み合わせて導入可能
GROWBSⅢ 株式会社テスク 中堅・大手 量販店取引(EDI)に強く、多荷姿・ロット管理に標準対応
販売指南 三菱電機デジタルイノベーション株式会社 中小・中堅 リレー入力やEDI連携に強く、運用を変えずにカスタマイズ可能
スーパーカクテルCore 販売 株式会社内田洋行 中小・中堅 約450業種の実績。カスタマイズに優れ、物流HT連携も強力
楽楽販売 株式会社ラクス 中小・中堅 マウス操作で自社仕様にシステムを構築。脱Excelに最適
アラジンオフィス 株式会社アイル 中小・中堅 業種特化パッケージが豊富。BtoB EC(Web受発注)連携に強み
SmileWorks 株式会社スマイルワークス 中小・中堅 小さく始められる統合ERP。金融機関準拠のセキュリティ
DX統合パッケージ SMILE V Air/V2 販売 株式会社OSK 中小・中堅 150種以上の帳票出力と、ローコード開発による独自画面作成
商蔵奉行クラウド 株式会社オービックビジネスコンサルタント 中小・中堅 奉行シリーズ連携に強み。最適な業務プロセスを標準提供
キャムマックス 株式会社キャム 中小・中堅 オムニチャネル対応(卸・店舗・EC)の低コストクラウドERP
Next Navinity 株式会社オーシーシー 中小・中堅 カスタマイズ前提で柔軟。キーボードのみの爆速入力に対応

中堅・大手企業向けのおすすめ基幹システム6選

GrowOne 販売情報システム(株式会社ニッセイコム)

パッケージシステムの低コスト・短納期と、スクラッチ開発の柔軟性を両立した「セミオーダー型」の販売管理システムです。食品卸や化学品卸など、業種特化のテンプレートをベースに自社独自の業務をジャストフィットさせることができます。また、稼働後もコールセンターではなく開発に携わったSEが直接サポートしてくれる点も、長期的な運用において大きな安心材料となります。

Creative Vision.NET(株式会社ディー・ティー・ピー)

アパレル・ファッション業界に特化したDXクラウド型の販売管理システムです。卸売部門だけでなく、小売(直営店)やZOZOTOWNなどのECモールも含めた在庫・売上データを1つのシステムでリアルタイムに一元管理できるのが最大の強み。展示会受注や配分管理、消化仕入(売仕)といった業界特有の商流に標準対応しており、独自のBIツールを使った多角的な売上分析も可能です。

WorkVision販売管理(株式会社WorkVision)

40年以上の構築実績を持ち、特に機械器具、建設資材、電子部品などの卸売業に強みを持つシステムです。最大の魅力は「画面編集機能」や「カスタムメイド機能」。スクラッチ開発のシステムから乗り換える場合でも、自社独自の業務フローや画面デザインに合わせて柔軟に設定できます。サブスクリプション方式のクラウド版も提供しており、外部のSFAや会計システムとの連携(EAI)にも優れています。

FutureStage 卸売業向け販売管理システム(株式会社日立システムズ)

製造業・卸売業を中心に40年間で4,500システム以上の導入実績を誇る、日立システムズのクラウド型ビジネスプラットフォームです。最新版では、低コストで標準運用できる「Lite版(ノーコード開発対応)」と、自社運用に合わせて機能拡張ができる「Standard版(ローコード開発対応)」の2つのモデルを展開。レガシーシステムからの脱却を図りつつ、日本特有の商習慣に合わせた柔軟なシステム構築が可能です。

EXPLANNER/Ax(日本電気株式会社)

50年間で30,000本を超える圧倒的な導入実績を誇る、NECのERPシステムです。販売・債権・債務・会計・給与・人事の6つの基本システムから、自社に必要なものだけを単独または組み合わせてフレキシブルに導入できるのが特徴。食品・機械・建材・化学品など、業種ごとに特化した販売管理の機能が豊富に用意されており、企業の成長に合わせて段階的にシステムを拡張していく運用に最適です。

GROWBSⅢ(株式会社テスク)

食品、日用雑貨、包装資材など、量販店と取引のある卸売業に特化したクラウド型パッケージです。最大の強みは、バラ・ケースといった「多荷姿管理」やロット・賞味期限管理、委託・直送・帳合取引といった複雑な卸の商流に標準対応している点。また、得意先が増えるたびに発生するEDI(流通BMS)の設定や帳票レイアウトの変更を、ベンダーに依頼せずノンプログラミングで自社対応できるため、稼働後の改修コストを大幅に削減できます。

中小・中堅企業向けのおすすめ基幹システム9選

販売指南(三菱電機デジタルイノベーション株式会社)

40年以上の実績を持つオンプレミス型の販売管理システムです。見積から受注・出荷・売上までデータを引き継ぐ「リレー入力」や、中小企業共通EDI、楽楽明細・デジタルインボイス(Peppol)との連携によるペーパーレス化に強みを持ちます。パッケージでありながらカスタマイズ性が高く、「現場の運用フローを大きく変えずにシステム化・効率化したい」という中小・中堅企業に最適です。

スーパーカクテルCore 販売(株式会社内田洋行)

約450業種という圧倒的な導入実績を誇る販売管理システムです。自社の業務モデルを活かした柔軟なカスタマイズや外部連携に優れています。また、発注書や請求書の自動メール配信によるペーパーレス化や、ハンディターミナル連携(フリーロケーション管理対応)による物流現場の作業効率化など、現場スタッフの「使いやすさ」と「自動化」を強力にバックアップします。

楽楽販売(株式会社ラクス)

累計導入6,000社以上、クラウド型販売管理システムでシェアNo.1クラスの実績を持つシステムです。最大の強みは、プログラミングの知識がなくても「マウス操作だけ」で自社の業務フローに合わせたシステムを自由に構築できること。今使っているExcelを取り込むだけでシステム化でき、売上・原価の自動計算や、帳票のワンクリック発行・自動メール送信など、現場のルーチンワークを劇的に削減します。「システムに業務を合わせたくないが、スクラッチ開発の予算はない」という企業に最適です。

アラジンオフィス(株式会社アイル)

5,000社以上の導入実績を持ち、ファッション、食品、鉄鋼、ねじ、建材など、各業界の商習慣に深く適合した「業種特化パッケージ」を展開する販売管理システムです。最大の強みは、同社が提供するBtoB EC(Web受発注システム「アラジンEC」)とのシームレスな連携。得意先からのFAX・電話注文をWeb化し、販売管理と連動させることで劇的な業務効率化を実現します。また、貿易管理(輸出入)やプロジェクト管理(販売+施工)といった高度なオプションも備えています。

SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

販売・仕入・在庫管理から、経費精算・給与計算・会計まで、バックオフィス業務のデータをすべて自動連動させる統合型のクラウドERPです。最大の魅力は「小さく始めて徐々にステップアップできる」こと。最初は販売管理のみを導入し、企業の成長に合わせて機能を追加していく運用が可能です。複数銀行口座の入出金明細からの自動消込や自動仕訳機能に優れ、みずほ銀行などの金融機関サービスにも採用される強固なセキュリティを誇ります。

DX統合パッケージ SMILE V Air/V2 販売(株式会社OSK)

長年の実績を持つ「SMILE」シリーズの最新版。オンプレミス(V2)とクラウド(V Air)のどちらかを選択できます。最大の強みは、150種類以上の標準帳票に加え、「自由帳票オプション」で得意先ごとの独自レイアウト(指定請求書など)を柔軟に作成できる点です。また、ローコード開発ツール(Custom AP Builder)を用いれば、標準機能にはない自社独自の業務画面やアプリをノンプログラミングで追加でき、パッケージの枠を超えた拡張性を発揮します。

商蔵奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

累計82万社以上が利用する奉行シリーズのクラウド型販売・仕入・在庫管理システムです。最大の強みは、長年のノウハウが凝縮された「標準的かつ最適な業務プロセス」が最初から組み込まれていること。自社でゼロからフローを設計しなくても、システムに沿って運用するだけで属人化を排除し、効率的な業務を実現できます。勘定奉行などの他シリーズとのシームレスな連携はもちろん、政府情報システム(ISMAP)にも登録される強固なセキュリティ環境も魅力です。

キャムマックス(株式会社キャム)

「中小企業のためのERP」をコンセプトに、月額9万円からという低コストで導入できるクラウド基幹システムです。最大の強みは、卸売(BtoB)だけでなく、実店舗のPOSレジや、自社EC・各種モール(BtoC)など、あらゆる販売チャネルの受注・在庫データを一元管理できる「オムニチャネル対応力」にあります。販売管理から購買・在庫・財務会計までを網羅しており、事業の多角化を進める中小企業を強力にバックアップします。

Next Navinity(株式会社オーシーシー)

食品卸や機材関連卸など、前シリーズを含め700社以上の導入実績を持つ販売管理パッケージです。最大の強みは「カスタマイズを前提」としていること。パッケージの基本機能をベースに、自社特有の要件を組み込んだオンリーワンのシステムを構築できます。また、マウスを使わずキーボード操作のみでスピーディーにデータ入力ができる仕様になっており、膨大な伝票処理を抱える現場の入力負担を劇的に軽減します。

卸売業の基幹システム刷新で陥りがちな「2つの罠」

ここまで優秀なシステムを紹介してきましたが、実は比較検討を進め、いざ導入に踏み切った企業の多くが「システム選定のジレンマ(行き詰まり)」に直面しています。卸売業のシステム刷新において、避けるべき「2つの罠」を解説します。

SaaS・パッケージの罠:独自の商流に対応できず「業務をシステムに合わせる」妥協

卸売業の業務は、企業ごとに商習慣や取引条件(複雑な個別単価設定、歩合・リベート、直送フロー、特殊な流通加工など)が極めて複雑に絡み合っています。

導入コストが安く、スピーディに稼働できるSaaSやパッケージシステムを選んだ結果、どうなるでしょうか。システム側が用意した「標準機能」に自社の複雑な業務を無理やり当てはめることになり、システムで処理しきれない例外業務がExcel管理や手作業として残ってしまいます。結果として、システムを導入したのに現場の負担が以前より増大するという本末転倒な事態が後を絶ちません。

フルスクラッチの罠:莫大な初期費用と将来的な「技術的負債」のリスク

「それなら、自社の業務に合わせてゼロからシステムを作る(フルスクラッチ)しかない」と考えるかもしれません。しかし、フルスクラッチ開発には数千万〜数億円という莫大な初期費用がかかります。さらに恐ろしいのは、数年後の法改正やビジネスモデルの変化(新たな商材の追加やEC展開など)に対応しようとした際、開発したベンダーにしか改修できない「ブラックボックス化(技術的負債)」に陥るリスクです。

少しの機能追加で高額な見積もりを出され、身動きが取れなくなる「ベンダーロックイン」は、企業の成長を著しく阻害します。

なぜ、多くの企業がシステム化でつまずくのか?製造業・卸売業が直面するシステムの限界と、その解決策について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

卸売業の複雑な商流を最適化する第三の選択肢「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket」

産業機器・業務用機器メーカー向け 保守部品販売・BtoB受発注DX

SaaSの「機能不足による妥協」も、フルスクラッチの「コストと技術的負債のリスク」も回避したい。その両者の課題を解決する第三の選択肢が、ソースコード提供型の業務適応型コマース基盤「EC-CUBE Enterprise for AfterMarketです。

EC-CUBE Enterprise for AfterMarketは、SaaSのような「導入のしやすさ・ベース機能の充実」を持ちながら、フルスクラッチと同等の「高いカスタマイズ性」を誇ります。最大の強みは、ソースコードや顧客データが自社の「デジタル資産」として蓄積されること。特定のベンダーに依存(ロックイン)することなく、企業の成長に合わせてシステムを自由自在に拡張・進化させることが可能です。

【高い柔軟性の証明①】機械・建材・部品卸における「部品探索」と「アフターサービス受注の自動化」

前半で「最難関」と紹介した機械・建材・部品卸の業務において、EC-CUBE Enterprise for AfterMarketはその真価を発揮します。

取扱点数が膨大になるこの業界では、得意先からの「あの図面に合う代替パーツはあるか」「以前買った機械の消耗品が欲しい」といった、曖昧で属人的な問い合わせが日常茶飯事です。従来のパッケージでは、正確な品番が分からないと受注処理すらできませんでした。

EC-CUBE Enterprise for AfterMarketであれば、過去の納入データや図面データ、親機と部品の構成(BOM)をシステム上で紐付け、得意先自身がマイページから直感的に「部品探索」を行える環境を構築できます。これにより、これまで営業担当者が電話やFAXで対応していた複雑なアフターサービス関連の受発注業務を完全自動化し、ルーチンワークから解放します。

【高い柔軟性の証明②】「予測型・提案型受発注の自動化(プロアクティブ発注管理)」の実現

さらに一歩進んだDXとして、EC-CUBE Enterprise for AfterMarketは「予知コマース」の領域を実現します。

過去の取引データや、機械・部品の摩耗・交換サイクルをシステムが分析し、得意先が必要とするタイミングを事前に予測。「そろそろこの消耗品の交換時期ですが、発注しますか?」と、システム側から得意先へ自動で提案(プロアクティブ発注)を行うことが可能です。

「注文を待つ」受け身の営業から脱却し、欠品による機会損失や他社への乗り換えを未然に防ぐ、強力な営業支援ツールとして機能します。

まとめ:自社の商流を「デジタル資産」に変える基幹システム選びを

卸売業の基幹システムは、単なる「社内管理ツール」ではありません。複雑な商流をいかに効率化し、顧客(得意先)の利便性を高め、売上を最大化するかを左右する「企業の競争力の中核」です。

システム選定において最も危険なのは、「システムに自社の業務を合わせる」という妥協です。自社固有の商流や強みを殺すことなく、独自のビジネスモデルを「デジタル資産」として蓄積・拡張できるプラットフォームを選ぶことが、10年後の企業価値を決定づけます。

複雑な商流の自動化、属人的な部品探索のシステム化、そしてアフターサービスのDXを実現したいとお考えの卸売業・商社の方は、ぜひ一度「EC-CUBE Enterprise for AfterMarket」を検討してみてはいかがでしょうか。

監修

株式会社イーシーキューブ

国内No.1シェアを誇るEC構築オープンソース「EC-CUBE」の開発元企業です。親会社の株式会社イルグルム(東証スタンダード市場上場)とも連携し、戦略立案から構築・運用・マーケティングまでワンストップのEC支援を行っています。これまで数多くのEC構築・改善を手がけてきた知見を活かし、実務に役立つノウハウや導入事例などを分かりやすく解説・発信しています。「ECサイトをどう作ればいいのか分からない」「既存サイトをもっと強化したい」「ECサイトの運営について詳しく知りたい」…そんなお悩みをお持ちの方々に、少しでもヒントとなる情報をご提供できれば幸いです。
※ 独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による

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  • 型式・製造番号・個別仕様によって適合する部品が異なる
  • 部品特定や見積・受発注が、人や経験に依存している
  • 顧客・代理店ごとに価格、取引条件、承認フローが異なる
  • 既存の代理店商流や基幹システムを活かしながら、段階的にデジタル化したい