【比較6選】中~大規模ECサイトに適した構築手法「ECパッケージ」とは?導入のメリット・デメリットやおすすめの製品を詳しくご紹介
「これからECビジネスを始めたい」
「どのプラットフォームが良いのか?」
とご検討中の企業様は少なくないと思います。
ASPやECモールなど様々な方法がありますが、中規模~大規模のECサイト構築・運営にあたっては、ビジネスの成長や独自要件への対応を見据えると、柔軟なカスタマイズ性と高い拡張性を備えた「ECパッケージ」は非常に有力な選択肢となります。その特徴をよく把握した上で、自社のニーズに適しているかを見極めたいものです。
本記事では、ECパッケージとは何かという基本的な解説から、導入メリット・デメリットの比較、おすすめの製品のご紹介、他の構築手法との違いなどについて詳しく解説します。
目次
ECパッケージとは?

ECパッケージとは、ECサイトを運営するために必要な様々な機能をひとつのソフトウェアまたは、システムとして統合した製品群の総称です。
売上管理や商品管理、決済機能、顧客管理、在庫管理といったECサイトに欠かせない基本的な機能があらかじめ標準装備されており、導入後すぐに本格的なサイト運営をスタートできるのが大きな特徴です。また、これらのパッケージは自社のサーバーにインストールして使用する形式が一般的で、必要に応じて機能の追加や仕様変更といったカスタマイズにも柔軟に対応できるため、自社のビジネスモデルに合わせた運用がしやすいという利点があります。
現在、国内のEC構築プラットフォームとして規模・業種を問わず広く利用されているのがASP(Application Service Provider)です。ASPはカート会社がクラウド上で提供するECサイト向けのプラットフォームで、こちらもECパッケージと同様、サイト構築に必要なシステムや機能があらかじめ備わっています。両者の違いについて詳しくは後述しますが、この基本機能の部分に関しては、大きな違いはないと言って良いでしょう。
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ECパッケージのメリット・デメリット

次に、ECパッケージを利用するメリットやデメリットを、他のサイト構築手法との比較でご説明していきます。
ECパッケージとフルスクラッチの比較
ECパッケージと比較検討される手法の一つに「フルスクラッチ」があります。
フルスクラッチとは、既存のシステムやソフトウェアを利用せず、ゼロからECサイトを開発する手法のことです。要件定義の策定から、設計、プログラミング、デザイン、動作検証に至るまで、すべての工程を自社で行うのが特徴です。また、サーバーの手配やインフラの構築・運用、保守管理も基本的に社内で対応することになります。そして、サイト設計・構築の自由度が高いという点はECパッケージにも共通しています。
ゼロベースでサイトを構築するフルスクラッチは、開発開始から完成までに膨大な工数や時間、費用がかかる上、開発には高度な技術力が求められるため、専門スキルを持つエンジニアを確保できるかどうかも大きな課題です。
その点、ECパッケージにはEC運用の基本機能が初期状態でパッケージされており、コストや開発期間を大きく抑えられます。また、多くのECパッケージは運営ノウハウを踏まえて設計されており、専門知識がない人にとっても一定の使いやすさや安定性を持っているのもメリットです。
一方で、ECパッケージゆえのデメリットも存在します。例えば、自社独自の業務フローや既存のシステムと連携させたい場合、パッケージ内の既存機能との干渉により思い通りのカスタマイズができないケースがあります。特に、複雑なロジックや独自仕様が求められるケースでは、フルスクラッチの方が柔軟に対応できることも多いでしょう。
ECパッケージとASPの比較
ここからは、ASPとECパッケージの違いについても見ていきましょう。
まずECパッケージのメリットとしては機能の豊富さです。前章で「大きな違いはない」と申し上げたのはあくまで基本機能の部分であって、その他の部分は製品によって差異がありますが、全般的にECパッケージは顧客体験や運用管理の利便性を高める多種多様な機能がASPよりも充実しており、中規模・大規模のECサイトにも対応できるハイクラスの機能を備えたECパッケージも見られます。
もう一つはカスタマイズ性です。ASPは基本的にシステムの仕様内でのカスタマイズとなるため非常に限定的で、機能やデザインの自由度が低いという欠点があります。これに対して、ECパッケージは柔軟なカスタマイズや改変が可能です。
逆にECパッケージよりもASPが勝っているのは「手軽さ」です。ECパッケージは基本的に利用者が自分でサーバーにインストールして使うのに対し、ASPはクラウド上でレンタルする形を取るため、利用者は自前でサーバーを準備したりソフトウェアをインストールしたりする必要がありません。プログラミングの知識や専門的な技術がなくてもECサイトをスムーズに開設でき、システムのメンテナンスやアップデートもASP提供者が行ってくれます。
またASPの利用料金は多くの場合、毎月数千円程度と低価格です。ECパッケージは小規模なものでも数十万~百万円程度、規模が大きくなると数百万~一千万円程度となるケースもあり、費用面では大きな違いがあります。
おすすめのECサイト構築パッケージ
次に、国内外で実績のあるおすすめのECパッケージをいくつかご紹介します。用途や規模に応じて、自社に最適なものを選ぶ参考にしてください。
ecbeing

幅広い業種・業態に対応できる、中~大規模ECサイト向けのECプラットフォームです。ECサイト構築実績は国内有数の1,600サイト以上、特に大手企業での実績が多くあります。カスタマイズ型のSaas系ECパッケージでは国内シェアトップクラスです。また豊富な構築実績に裏付けられたEC運用ノウハウと事業規模・領域に合わせた柔軟なカスタマイズにより、高いレベルのソリューションを提供しています。
- 運営会社:株式会社ecbeing(東京都渋谷区)
- 公式サイト:https://www.ecbeing.net/
主な特長
ecbeingの主な特長は次の3点です。
- 事業に合わせて拡張可能な製品・開発力
国内有数の1,600件以上という多種多様な構築実績があり、これをもとにクライアントのビジネスモデルに最適のサイト構築の提案が可能です。ecbeingの多彩な標準機能に加え、要望に合わせた柔軟なカスタマイズ対応、さらにMA・CDP・レビュー・SNS連携、AIチャットボットなど、課題解決と売上向上をサポートするオプション「マイクロサービス」を提供しています。
また、製品ラインアップの豊富さもecbeingの特徴で、BtoB ECサイト構築に適した「ecbeing BtoB」や低価格・スモールスタート向けの「メルカート」など、あらゆるECビジネスに対応できるプラットフォームが備わっています。 - 多面的なセキュリティ対策
ecbeingでは、ECサイト運営に特化したインフラ環境を安定性・セキュリティ性の高いクラウド環境に構築・自社運用しています。最新技術を利用したクラウド環境と豊富な運用経験で培ってきたノウハウにより、ECサイト特有のトラフィック傾向に合わせたネットワーク制御やサーバーの高負荷対策を実施。さらに、24時間365日の自社社員によるサポート・運用監視により、万一のトラブルにもスピーディーに対応可能です。継続的なセキュリティ対策や第三者機関によるセキュリティ診断も定期的に行っています。 - 国内最大規模の開発・サポート体制
サポート体制も充実しており、開発体制650名以上・マーケティング支援体制300名以上という国内最大級の人材リソースから成る専任のプロジェクトチームが、契約前のヒアリングからサイト制作・保守運用・構築後のマーケティングまでワンストップで継続的に顧客支援を行っています。構築からサポートまで一貫して同じ体制なのも企業にとっては安心材料でしょう。
EBISUMART

中・大規模EC向けの国産クラウドECプラットフォームです。SaaS型でありながら、パッケージ型ECに匹敵する高いカスタマイズ性と豊富な機能を備えており、拡張性と柔軟性を両立したEC構築ソリューションとして注目されています。大手企業や成長フェーズにある中堅企業を中心にこれまでに800サイト以上の導入実績があり、SaaS型・カスタマイズ型EC構築ツールとしては7年連続国内構築実績No.1(日本ネット経済新聞調べ)となっています。
- 運営会社:株式会社インターファクトリー(東京都千代田区)
- 公式サイト:https://ebisumart.com/
主な特長
BtoC・BtoB向けECサイトの新規構築、既存ECサイトのリプレースをはじめ、モール型ECサイト、オムニチャネル導入、多店舗展開、ふるさと納税サイトなどあらゆるビジネスモデルの実現に適した機能を取り揃えており、カスタマイズにより目的に応じた理想のECサイトを構築できます。予算に合わせて開発フェーズを分けるなど事業成長に合わせた柔軟な対応も可能です。
また、80以上の多種多様な外部サービス・アプリケーションと提携。複雑なカスタマイズを行わなくてもシステム連携の利用によってCRM・在庫管理・商品管理・レコメンド・表示最適化・アクセス解析・EFOなどの機能を拡張できるためスピーディーな開発が可能です。
ECサイトを守るためのセキュリティ対策も万全で、運営元が情報資産のセキュリティを管理するための枠組を策定・実施しています(ISMS取得)。
また、EBISUMARTはシステム面だけでなく支援サービスも充実しています。
- ECコンシェルジュ
顧客企業ごとに専任の運用サポート担当者(ECコンシェルジュ)を設定し、作業内容や進捗内容を把握。日々のトラブル解決や構築・運用のアドバイスなど最適な運用サポートを実現。 - ワークショップ
ユーザー限定・少人数制のワークショップ「EBISUMART Academy」を開催。6つのカリキュラムで他企業の運用事例やEBISUMARTの最新機能・アップデート等の情報を発信しユーザーをサポート。 - 売上成長支援
ECを中心に顧客企業の事業に関わるあらゆる支援を行う「ビジネスグローアップサポート」を展開。ECサイトを熟知したコンサルタントが既存のECの枠組みにとらわれず事業全体の成功を支援。
W2

事業立ち上げから年商100億円規模のECサイトまで幅広いビジネスに対応できるECサイト構築プラットフォームです。800以上の導入実績があり、導入ショップ平均の売上成長率は354%と、数多くのEC事業を成功に導いています。
- 運営会社:W2株式会社(東京都中央区)
- 公式サイト:https://www.w2solution.co.jp/
主な特長
W2の機能面の主な特徴は次の通りです。
- 多数の機能を標準搭載
業界トップクラスの1,000以上の機能を搭載。サイト構築に必要な多彩な標準機能をはじめ、顧客管理機能、サイト分析や広告分析、SEO・マーケティング機能、顧客セグメントで高度なリピーター施策を実現できるCRM機能などを一つのシステムに網羅し、さらにSaaSの利点を活かして顧客ニーズに応える機能追加で日々進化を続けています。 - バックエンド業務の効率化
従来手作業で行われていた受発注・発送処理作業や問い合わせ管理などの業務を自動化する「自動受発注ワークフロー」で業務工数を90%削減(他社実績)が可能。ヒューマンエラーやミスのリスクを最小限に抑えます。また、LPやECサイトのノーコード運用も可能で、業務効率化と販促など他業務に注力できます。 - 幅広いパートナー企業との連携
独自のパートナー制度「W2エコシステム」では、サイト構築・マーケティング・ブランディング・ロジスティクス・インフラ/セキュリティなどEC事業に関連する多数の認定パートナーと事業者との連携を支援。課題解決とビジネス成長を加速させる末永い協力体制を形成しています。 - 世界基準のセキュリティ・インフラ対策
最高レベルの技術力とソリューションを提供できるとマイクロソフトから認められた「マイクロソフトゴールドパートナー」の取得をはじめ、不正注文・不正アクセス検知サービス・WAF・複数の外部試験認証・第三者機関による脆弱性診断などのセキュリティ対策を多層的に導入し、安全で安定したECサイト構築を実現しています。 - 充実した支援サービス
経験豊富なプロフェッショナルチームが、カート導入期の初期設定から高度なシステム活用・運用までを一貫支援。高機能なECプラットフォームによるUI/UXを考慮したサイト制作、多様なビジネスモデルに対応する運用ノウハウの提供、カスタマーサクセスチームによる日々の運営業務のサポートやシステム活用方法に関する勉強会など、様々な形でクライアントのEC事業の成長に貢献します。
EC-ORANGE

拡張性・汎用性の高い中堅・大手企業向けのEC構築パッケージです。15年にわたるサービス提供実績で培われた豊富なノウハウと技術力が盛り込まれており、通常の個人向けECはもちろん、BtoB・BtoE・BtoBtoB・BtoBtoC・マルチテナント・オムニチャネル・フルフィルメントなど多様なビジネスモデルに対応できるシステムとなっています。
また、EC-ORANGEの運営会社はIT企業でありながら流通事業の実績も豊富です。その経験で培った「物流」「在庫」「モノづくり」「カスタマーサポート」のノウハウとIT技術を組み合わせ、コンサルティングからEC構築・運用、EC人材養成まで担うワンストップサービスでOMO時代の業界・企業の課題解決を支援しています。
- 運営会社:株式会社エスキュービズム(東京都港区)
- 公式サイト:https://ec-orange.jp/
主な特長
EC-ORANGEの主な強みは次の3点です。
- ベンダーロックインを排除した自由度の高いシステム
EC-ORANGEはサイトを構成する全てのソースコードを開示しています。クライアントはこれを自由に改変でき、内製化への移行や他ベンダーによる開発も行えるため、いわゆるベンダーロックイン(システムの構築や保守運用を特定の開発ベンダーに依存し、他への移行や大規模改修が困難な状態)のリスクなくECサイトを開発・運営できます。 - API連携をベースとしたシステム
EC-ORANGEは従来のECシステムが基本としていた、バックオフィス機能とフロント側機能が密結合しているシステム設計ではなく、API連携をベースとしてシステムの構成要素間の独立性が高いシステム構成となっています。これによりフロントとバックエンドのシステム開発・カスタマイズを切り離して双方を並行するなど、柔軟かつ効率的なシステム開発が可能です。
さらにAPI自体を新たにカスタマイズ開発し、外部システムや既存レガシーシステムとの連携(会員情報連携、商品マスタ連携、購買データ連携など)もできます。 - サーバーレス環境にも対応
サーバーレス環境の実現により、従来行われていたサーバーシステム環境などの用意の手間が不要になるだけでなく、必要な時に必要なだけサーバーリソースを利用することで関連コストの最適化が可能となりました。
サーバーの構築・運用ノウハウに乏しい内製化状況でも、管理対象となる範囲が限定されるためサーバーの稼働・運用・メンテナンスを考慮せずに運用でき、より内製化しやすい仕組みです。
コマース21

大規模ECの構築実績が豊富なECサイト構築パッケージです。国内大手大規模ECへのシステム導入300社超、システム導入ECの流通総額は3,200億円超と目覚ましい実績を積み重ねており、特に国内EC売上TOP100社のうち12社がコマース21を導入しています。
- 株式会社コマースニジュウイチ(東京都港区)
- 公式サイト:https://www.commerce21.co.jp/
主な特長
コマース21では、単にサイトの機能開発をするだけでなく、EC運営を通じた顧客体験価値の創造により消費者をロイヤルカスタマー(ブランドや商品、サービスに対して愛着を持ち、継続的に購入・利用している顧客)化し、LTV向上循環を生み出す「ロイヤルカスタマーDXソリューション」を提唱しています。
- データの蓄積・利活用
あらゆる事業活動・チャネルからのデータを蓄積し、蓄積データを分析/加工に適した形へ整形し、統合を行なう。データの利活用(掛け算)が生まれ、新たな提案が可能。 - 価値創造
データ分析・既存価値の掛け合わせを行ない、新たな情報価値を創造する。創造した価値を適切な手段・形でクライアントへフィードバック。 - バリューチェーン構築
企業・ブランド・物流・モノ・サービス全てが価値連鎖を産み出し事業活動を強化するためのシステムを立案・構築。 - ロイヤルカスタマー化
新たな価値獲得によりLTV・ARPAを向上し、長期に渡る事業収益への貢献。拡大した収益を新たな事業活動へ投資。
コマース21では大規模ECや特殊性の高いECも実現できるカスタマイズ力、大規模ECに必要な拡張性の高いシステム基盤を実現しており、売上高数百億円以上、瞬間トランザクション数千規模のECシステムまで対応が可能です。
システムは3つのアプリレイヤー(Front UI・Front API・Admin)で構成されており、それぞれを同時並行に開発可能。用途に合わせたキャッシュコントロールとマルチDBに対応しており、機能別に分割・スケーリング可能な柔軟性と可用性のあるシステム構造となっています。さらにソース開示による内製化支援で、EC事業の継続的な成長をサポートします。
開発にあたっては「消費者のロイヤルカスタマー化」実現に向けた技術コンサルティングとして、ヒアリングから要件定義、開発、開発後の運用サポートまでを専属メンバーがサポート。要件定義と実開発の分離による行き違いや手戻りがありません。
SI Web Shopping

日本のEC黎明期から25年以上にわたり、国内EC市場とともに進化してきた高機能EC構築パッケージです。主に年商数十億円以上を目指す中規模・大規模EC事業者に利用されており、累計1,100超のECサイト構築実績があります。
長年の実績に裏打ちされた安定性と堅牢性を備えており、変化の早い消費行動のトレンドに迅速対応できる基盤を提供。マーケティング活動をタイムリーに最適化し、データ活用を通じた顧客理解の深化とパーソナライズ施策の展開を可能としています。
- 株式会社DGビジネステクノロジー(東京都渋谷区)
- 公式サイト:https://siws.dgbt.jp/
主な特長
SI Web Shoppingの主な特長は次の通りです。
- 充実の機能ラインアップ
国産初のECサイト構築パッケージとしての経験から生み出された豊富な基本機能を搭載しており、必要なものをワンストップで導入可能。また、サイト内検索やディープラーニングを活用したレコメンド、ソーシャルログインや多言語化エンジン、Web接客など豊富なオプション機能も備わっています。様々な機能を網羅しながら、クライアントの要件に応じて柔軟な対応ができる拡張性を持っているのが強みです。 - クライアントに優しいカスタマイズ性
同製品は「カスタマイズ生産性を高める」という思想で開発されており、他のECパッケージと異なりクライアント向けのカスタマイズを前提としているため、独自のビジネスモデルにもより効率的にフィットさせられます。自由度の高い独立したCMSアプリケーションを搭載(オプション)しておりhtmlの知識がなくても直感的に幅広くサイトの編集を行えます。またECビジネスに必要なフロント機能を全てAPI化しており、これを活用すればスマホアプリや自社ブランドサイトにEC機能を組み込むことも可能です。
その柔軟なカスタマイズ性から、ECに限らずOMO・オムニチャネル、BtoBビジネス、講座申込サイト、ネットスーパー中古品買取販売など多種多様なサービスのデジタル基盤としても採用されています。 - ソースコードを完全公開
業界標準の技術で開発されたECシステムはソースコードとデータベースを完全公開しています。ベンダーロックインやブラックボックスのリスクを回避でき、内製化への移行や他ベンダーへの開発委託も可能です。企業のシステム内製化体制の立ち上げを支援するプログラム「EC&リテール DXサポート」も提供しています。 - シンプルなライセンス体系
SI Web Shoppingのライセンス体系は「1サイトに1ライセンス」というシンプルなモデルで、サーバの台数やCPUのコア数などに依存せず、開発環境も検証環境も1ライセンスで対応可能です。
ECパッケージの代替手法は?
一口にECパッケージといっても様々な製品があり、それぞれに機能や拡張性、サポート体制などで差別化されていることが前章でお分かりいただけたかと思います。どれも多くのシェアを獲得している優れたシステムですので、自社ECの構築基盤を選択する上でご参考になればと思います。
様々な規模・形態のECサイト構築に活用できるECパッケージですが、大規模かつ複雑な要件のECシステム構築においては、2つの問題について考慮しておく必要があります。
1つ目は、ベンダーロックインです。ベンダーロックインは、ソフトウェアの機能改修やバージョンアップ、ハードウェアのメンテナンス等、情報システムを使い続けるために必要な作業を導入した事業者以外が実施することができないために、特定のシステムベンダーを利用し続けなくてはならない状態を指しています。ECパッケージを利用する場合、機能追加に対する価格やスケジュールがブラックボックスとなることがほとんどで、つまりベンダーロックインにより柔軟なシステム改変が阻害される可能性があります。市場の変化に迅速に対応するためには、特定のベンダーに依存しない柔軟なIT戦略が求められます。
2つ目は、ECパッケージの既存機能との干渉により、カスタマイズや開発が制限されることがあります。具体的には、プラグインや外部連携の際に既存のAPIやデータベース構造が衝突する、標準搭載されたカート処理の改修が困難、バックエンド管理画面のUI/UX変更の制限などがあります。自社のサービスや業務フローを、システムに合わせて変更せざるを得なくなる事態も珍しくありません。
こうしたケースで選択肢となるのが、「フルスクラッチ」と「オープンソース」です。
一つ目のフルスクラッチとは、既存のシステムやソフトウェアを利用せず、ECサイトの開発における全ての工程をゼロベースで行う手法をいいます。完全オーダーメイドでの構築になりますので、自社のビジネスモデルや販売戦略、業務環境に最適化したサイト開発が可能です。ECパッケージのような既存機能との干渉の問題もありません。
しかしシステムの要件定義・設計・実装などを全て一から行うため、開発には莫大なコストや期間がかかります。またフルスクラッチ開発には高度な技術力が求められるため、複雑な要件に対応できるエンジニアも必須です。
複雑なカスタマイズが必要で、かつフルスクラッチの採用が現実的でない場合は、オープンソースでのEC構築が最適です。
オープンソースとは、ソースコードが一般に公開され誰でも自由に利用・改変できるソフトウェア全般のことで、こちらもフルスクラッチと同様カスタマイズは自由に行えます。EC構築に必要な基本システムをパッケージして無料提供されており、その全てを自由にカスタマイズ可能。フルスクラッチよりもコストや工数を抑えながら、自社の要件にマッチしたECサイトを柔軟に構築できます。
ソフトウェアに組み込まれたECの標準機能を使いながら、独自の機能をカスタマイズで実装するという「いいとこ取り」がオープンソースの最大のメリットといえるでしょう。
オープンソースECパッケージの定番「EC-CUBE」

私たちイーシーキューブ社は、ECオープンソースとして国内トップシェアを誇る「EC-CUBE」を開発・提供しております。
EC-CUBEは、SaaSやパッケージECのように機能過多にならず、必要な機能を必要なモノだけ柔軟に追加・拡張することが可能で、自社の業務フローやサービス内容に最適化されたECシステムを構築可能です。また、外部システムとの連携や事業フェーズに合わせた機能増強やサーバー拡張も行えます。基本構成が完成している状態から開発を進められるため工数短縮・コスト削減にもなります。
パッケージで構築されたECシステムでは、その改修やメンテナンス等をベンダーに依存せざるを得ない「ベンダーロックイン」の状態に陥り、サイト改善やリニューアルを自由に行えなくなるリスクがあります。
サイトを構成する全データを運営者が所有するEC-CUBEなら、その心配がありません。運営管理の内製化や、適材適所で複数ベンダーに委託することもできます。
オリジナルのサービス提供やUI設計を実現し、独自性の高いECで競争優位性を創出できるECプラットフォームとなっております。
自社での対応に不安をお持ちの方は「EC-CUBE Enterprise」

サイト構築に詳しい方の中には「オープンソースでのEC構築は、バグや脆弱性に対する保証がないため、セキュリティリスクが心配」といった懸念を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。また、自社の非常に複雑なビジネスモデルや商習慣を大規模ECで実現したいと考える方には「オープンソースで対応できるのか?」との不安もあるでしょう。
実際、近年は業種や規模を問わずDX化が推進されており、EC-CUBEのご利用においても、多様化するビジネスモデルに適応したより複雑・多機能なECサイトの構築に関するお問い合わせが急増しています。
しかし、こうした高度なサイトは、その構成の複雑さや対応範囲の広さから、どうしても開発コストやスケジュールが肥大化してしまう傾向があります。とはいえ初期費用を抑えるために汎用的な構成に留めようとすると、EC-CUBE本来の強みである柔軟なカスタマイズ性が十分に活かせず、他社と差別化しづらい画一的なサイトになる恐れもあります。
こうした背景のもと誕生したのが、大規模EC構築に特化した専用サービス「EC-CUBE Enterprise(イーシーキューブ エンタープライズ)」です。
開発会社ならではの豊富な知見と実績を生かして、No.1シェアEC構築オープンソース・EC-CUBEのポテンシャルや柔軟性はそのままに、大規模ECの構築・運用に耐える高セキュリティ・高性能・高可用性の高いシステムを実現しました。
BtoB・ECモール・多言語対応・高度な定期購入など多彩なECビジネスに対応する専用機能に加え、生成AIを活用した独自の開発プロセス「EC-CUBE EQ」、高いスケーラビリティと高負荷対応などハイスペックな構築環境を提供。複数の診断ツールによるチェックと社外ベンダーによるセキュリティ診断を定期的に受け、高いセキュリティ品質を維持しています。拡張性と信頼性を兼ね備えたエンタープライズ向けソリューションとして、多数の企業様にご利用いただいています。
さらに、EC-CUBE EnterpriseはOSS版のEC-CUBEと同様に、サイトに蓄積されたECデータも、サイトを構成するソースコードも、全て運営者の所有物として自由に活用でき、ベンダーロックインの心配もなく、将来の内製化支援も実施しております。
これらにより、将来的にも自社資産として柔軟かつ継続的な機能拡張が可能です。
「EC-CUBE Enterprise」について詳しく知りたい方は当社の専門スタッフにお気軽にご相談ください。
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