引っ越し・新生活シーズン到来!インテリアのECサイトのトレンドに迫る

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(1)「家具通販のロウヤ」

4月は若者を中心に、新生活のスタート時期です。必然的に引っ越しや、それに伴うインテリア(家具・カーテン・雑貨など)の新調が増える時期でもあります。
今回はそうした時期に合わせて、インテリアのECサイトのトレンドをご紹介しましょう。

まず、ユニークな取り組みを行っている家具のECサイトの例として、「家具通販のロウヤ」が行ったSNSによる集客をご紹介します。

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家具通販のロウヤ
福岡県福岡市に本拠を置く、家具・インテリアの通信販売会社が運営するECサイト
http://www.low-ya.com/

こちらは、ベガコーポレーション(2017年 東証マザーズ上場)が運営する家具のECサイトです。

2017年3月、ロウヤはある販促キャンペーンを企画しました。荷台に全長7メートルという、巨大なソファを載せたトラックを用意し、丸の内、銀座、渋谷、表参道、新宿など、都内各地を走り回らせたのです。
トラックの画像を写真に取り、SNSで共有すると抽選で100人に『LOWYA(ロウヤ)』で利用できる2万円分のポイントが当たるという仕組みです。

LOWYAの施策がユニークだったのは、リアルとデジタルの販促活動を融合させて実施したことでしょう。
「広告トラックを使った販促活動」、「SNSでの画像共有と拡散」、これだけ見ればありふれた施策です。しかし、これらを組み合わせることで「外をあまり出歩かないが、ネットはよく見る人」や「SNSは利用しないが、渋谷や新宿にはよく行く人」というふうに、多様な層に同時にアプローチすることができました。

今後、こうした「リアルとデジタルの合わせ技」には注目が必要でしょう。

(2)家具のネット通販「リノコショッピング」

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家具を新調するタイミングは、何も引っ越しのときばかりではありません。たとえば、リフォームをした後は内装が新しくなるため、今までの家具がなんとなく見劣りしてしまい、「新しい家具が欲しい」という気持ちになる人も少なくありません。
この点に注目したのが「リノコショッピング」です。

家具・収納・インテリア通販のリノコショッピング
セカイエが2017年2月22日に新たにスタートした家具のECサイト
https://shopping.renoco.jp/

同サイトを運営するセカイエは、もともとはオンラインリフォームサービス「リノコ」の運営を行っていました。家具の通販サイトを始めたのは、次のようなお客様の声が理由でした。

「リフォームに合わせて家具も新調したくなった」
「一緒に家具も買えたら嬉しい」
「低価格でデザイン性もある家具が欲しい」

こうした声から、リフォームサービスに加えて、リノコショッピングのサービスが生まれたのです。リノコでオンラインリフォームを申し込んだ顧客が、リフォームの完了後「家具を新調したい」という気持ちになったら、今度はリノコショッピングで家具を購入できるので、リフォームから新生活のスタートまでサポートするというシームレスなサービスが実現できるようになりました。

「シームレス」とはいっても、リフォームが完了してから家具を注文していたのでは、届くまでに時間がかかってしまいます。そこで今後は「リフォームの申し込み時点で家具を選び、完工と同時に家具の納品も済ませる」というサービスも提供する予定とのことです。
もし実現すれば、新しい内装と古い家具が同居する残念な時間をなくすことができるので、利用者にとっては非常に魅力的だといえるでしょう。

このように多くの人々が共通して「家具を新調したい」と思うタイミングに合わせて新しい家具を提供するサービスも、現在のトレンドの一つです。

(3)イケア・ジャパン

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今や、家具もネットで購入するのが当たり前の時代になりました。その証拠に、今までEC事業に乗り出していなかった企業のEC参入も進んでいます。たとえば、世界最大の家具量販店「IKEA(イケア)」の日本法人「イケア・ジャパン」も、2017年4月よりEC事業に本格参入することを発表しました。

イケア・ジャパン
公式サイトにEC機能を追加
http://www.ikea.com/jp/ja/

イケア・ジャパンでは新たにECサイトを立ち上げるのではなく、既存の企業サイトから商品を注文できるようにする方法を採用します。注文した商品は、実店舗での受け取りも可能にするとのことです。

EC事業に本格参入するメリットは、実店舗を展開していない地域の顧客も取り込める点。「IKEA」のブランドを活かし、より幅広い層をターゲットに売上増を目指しています。ソファやテーブルなど約9,000品目をECで販売します。

イケア・ジャパンが目指すのは「マルチチャンネル・リテーラー」。実店舗、ECサイトなど、多様な販売チャネルを持つ業者のことです。このように、流通チャネルを広げることで、新たな顧客層を開拓する動きも広がりを見せています。

(4)サンゲツ

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たとえ流通チャネルが限られていたとしても、ユニークなアイデアがあれば存在感を発揮することは可能です。インテリア家具の専門商社「サンゲツ」は、実店舗の販促活動のためにネットを活用しています。

サンゲツ
カーテン、壁材、床材など、インテリアの専門商社
https://www.sangetsu.co.jp/

サンゲツは、ECサイトを運営していません。その代わり、ユーザーは公式サイトから商品をイメージ検索したり、デジタルブックで気に入った商品を選んだりすることができます。実際の購入は販売店やショールームを経由して行うことになります。このようにすれば、販売経路が実店舗だけだったとしても、ネットと組み合わせることで売上増を狙えるでしょう。

また、2017年2月より同社初となるイベント「壁紙デザインアワード」を開催しています。

サンゲツ壁紙デザインアワード2017
http://www.sangetsu-award.jp/?_ga=1.234090398.1485857685.1490774225

このイベントは、同社が掲げる新しいブランド理念「Joy of Design」の浸透を図って行われるものです。業界内に理念を広めることで、「あそこは他所とは違う」というブランドイメージの確立を狙っている、というわけですね。

商品の販路が限られていても、できることはあります。ネットやイベントを通じた情報発信でブランドイメージが広がれば、それはやがて利益となって返ってくることでしょう。

(5)DIY FACTORY

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家具は「気に入ったものを選び、購入する」という以外にも、「自分で作る」=DIYという楽しみ方があります。ECサイト「DIY-TOOL.COM」、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」などを運営する株式会社大都は、DIY体験を通じて「家具を作る楽しさ」を多くの人に提案しています。

DIY-TOOL.COM
日本最大級のDIY用品ECサイト
http://www.diy-tool.com/

人々が、「DIYで家具を作ろう」と思ったとき、真っ先に頭に浮かぶのは「どうやって作ったらいいんだろう?」、「どんな材料を使ったらいいんだろう」といったことでしょう。こうした疑問に応えるため、同社はDIYのノウハウを伝える動画メディア「MAKIT!」を運営しています。

「MAKIT!」
DIYの材料・道具の紹介やレシピ解説
https://makit.jp/

MAKIT!を訪問した人は、DIYの方法や道具の使い方、必要な材料などを学ぶことができます。また、「実際にDIYを体験したい」と思った方は「DIY FACTORY 」を訪れ、レッスンに参加することもできます。もちろん、「MAKIT!で動画を見ていたら実際にやりたくなり、DIY FACTORYを訪れた」という方も多いことでしょう。「方法を学ぶ」「実際に体験する」という流れの後には「必要な道具や材料を購入する」段階が待っています。ここで初めて「DIY-TOOL.COM」の出番です。
利用者は「DIY-TOOL,COM」で必要なものを購入し、家具作りに挑戦することになるでしょう。

このように、DIYに関して「方法を学ぶ」「体験する」「道具を買う」といったサービスを提供すれば、利用者が自作の家具を手に入れるまでの工程をすべてカバーすることができます。人々のDIY挑戦を最後までアシストすれば、感謝されるうえにDIY業界自体も盛り上がります。大都のビジネス展開は業界全体の活性化にもつながっていくのです。

「ECサイト、体験型ショップなど、多様なチャネルを組み合わせて、顧客の自己実現をサポートする」というのが大都の事業から読み取れる特徴です。もし、大都と同じようなことを実現しようとすると大変大がかりな事業になってしまうため、なかなか難しいかもしれません。しかし、「まずはECサイトを立ち上げよう。数年後には体験型ショップだ」というふうに、段階を踏んで進めていけば、いつかは実現できると思います。
「顧客に価値を創造しながら、業界の発展にも貢献する」というのはビジネスの理想的な形だと思うので、熱意のある方はぜひ挑戦してみてください。

最後に

上記でご紹介した以外にも、インテリア系のECサイトでは、送料無料や引取り・開梱・設置・組立サービス・返品保証など、便利なサービスを導入されています。

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EC-CUBEにもインテリアサイトの構築事例が沢山ありますので、こちらから是非ご覧ください(右上の「ジャンルで選ぶ」のプルダウンメニューより、「インテリア・日用雑貨」をお選びください)。

ライタープロフィール

ネットショップの壺編集部
ネットショップオーナーや運営担当者のためのお役立ち情報を発信し、世の中のECをより活性化するべく、日夜情報収集に励んでいる。