あの日本郵便が本気でEC業界に参入してくるぞ。~「日本郵便」×「EC-CUBE」が生み出す新しいECの顧客層~

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2014年3月28日、オープンソースの「EC-CUBE」と、あの「日本郵便」との連携が発表されました。

プレスリリース

これだけ聞くと、「EC-CUBE」と単純な物流との連携を想像される方がほとんどだと思いますが、実は今回の連携はもっと面白く、もっと可能性のある内容なのです。

本記事では、今回の取り組みについて、特に、「EC-CUBE」のパートナーや店舗主、もしくは技術者の方々にとって、どうメリットがあるのかをできるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

そもそも今回「EC-CUBE」が連携する、日本郵便の「ゆうびんポータル」、「ゆうびんID」ってなに?

たとえば、Yahoo!のポータルサイトで、Yahoo!メールやその他サービスを受ける際、Yahoo!IDを皆さんは使っていますよね。今回の日本郵便で言えばYahoo!のポータルサイトにあたるのが「ゆうびんポータル」、Yahoo!IDにあたるのが「ゆうびんID」ということになります。

現在、このサイトでは再配達の申し込みや集荷の申し込みが毎度の住所入力がなく受けることができたり、その他切手や年賀はがきの購入といったいわゆるECのサービスもあったりと、なかなか便利です。

また、本ポータルサイトの会員数は、順調に増加しているとのことですので、今後、より一層、日本郵便ならではの便利なサービスが充実してくるだろうと思います。

ゆうびんポータル

「ゆうびんID」のビジネス利用の可能性

さて、この「ゆうびんID」ですが「EC-CUBE」側から見た場合、もしくはEC利用というビジネス観点で見た場合の魅力はどこにあるのでしょうか?

その魅力を紐解くカギは「ゆうびんID」の会員層にあると考えます。

皆さんは、最近、年賀状を送られましたか?もしくは、封筒に切手を貼り、手紙を送るようなことをされましたか?
正直、このメールやSNSが発達した世の中で、なかなかそういったことをされていないのが実情ではないでしょうか。

しかし、「ゆうびんID」の会員層には、その我々(私を含めた本記事の読者層)が最近はあまりやっていないような、切手を購入し手紙を送ったり、積極的に年賀状を送る層の方々が当然、多くいらっしゃいます。

つまり、私のようにECを積極的に利用する人たちとは年齢層を含む利用者層がある程度異なると思われます。もしかすると今まで全くECをされていない方々も「ゆうびんID」の会員層には多数いらっしゃる可能性があります。

そんな独自の層を形成している「ゆうびんID」の会員層をECの世界に取り込むことができれば、「EC-CUBE」店舗主、及び、EC業界全体としても、メリットがあり、非常にビジネスチャンスなのではないでしょうか?

さらに、ここからは想像でしかありませんが、今後この「ゆうびんID」が発展したとして、日本各地にある郵便局で「ゆうびんID」を付与できる形になれば、さらに面白い会員層になるのではないでしょうか。

今後のECの発展に欠かせないリアルとの連携も鑑み、「ゆうびんID」の魅力と可能性は尽きることはありません。

なぜオープンソースの「EC-CUBE」を日本郵便は連携先として選択したのか?

「ゆうびんポータル」はまさに、日本郵便にとって、期待の新事業であることは間違いありません。

「このポータルサイトやIDを利用して、EC事業に展開していきたい。」

そんな話を霞ヶ関の日本郵便本社(当時は郵便事業株式会社)で聞いたのは、2012年の夏ごろだったと思います。

そこからはもちろん一本道ではありませんでしたが、日本郵便側の想いと「EC-CUBE」側の想いが合致し、今回の取り組みに至りました。

日本郵便の想い

  • ECモールとの連携はID(ゆうびんIDと)が競合してしまうため、IDが競合しない独自店舗にアプローチしたかった
  • 大口顧客というより、中小規模のECショップに向け、積極的に物流等サービス展開をしたかった

EC-CUBEの想い

  • 独自店舗の永遠の悩みである、集客を解決したかった(ゆうびんIDユーザを集客)
  • 物流サービスの充実を図りたかった

その他、オープンソースの「EC-CUBE」ならでは、日本全国の技術者に今回の連携をサポートしてもらえるという点も、取り組みの大きな支えになっています。

日本郵便×「EC-CUBE」の第一弾の取り組み:シングルサインオン対応

今回、日本郵便と「EC-CUBE」の取り組みは始まったばかりです。

その第一弾が「シングルサインオン対応」です。

たとえば最近のWebでよく見かけるのは、会員登録の代わりに、FacebookIDとの連携で登録が完了するといった例です。

今回の「EC-CUBE」との連携では、ECサイト利用者が「ゆうびんID」を持っていれば、会員登録時の、名前、住所等の個人情報入力(とても手間がかかりますよね)をすることなしに、ログイン、及び、商品の購入をすることが可能になります。

また、住所が変わった際など、通常、郵便局への住所変更は皆さんされると思いますが、もうその1回だけにしたくないですか?今後「ゆうびんID」を使えば、各サイトで住所変更の手間はなくなっていくでしょう。

ユーザー相関図

まだ、始まったばかりの連携ですが、今後は「EC-CUBE」店舗主にとって、もしくは、「EC-CUBE」をビジネスツールで使われているWeb制作会社等、「EC-CUBE」に関連する方々にとって、メリットのある取り組みを行っていく予定です。

ゆうびんポータル導入支援パートナー募集について

本取り組みに際し、ロックオンは、「ゆうびんポータル導入支援パートナー」を募集します。

今回の「ゆうびんID」シングルサイオンのサイト導入に際しては、まだ、簡単に誰でも導入できるわけではなく、Web制作会社が技術対応をしていただいて初めて対応できるといった形になっています。

本取り組みに、共感いただき、一緒にビジネスをしていきたいという方は、是非ご応募ください(※一定の審査の上、パートナーとして認定させていただきます)。

晴れてパートナーとして認定されれば、技術資料等をお渡しし、ゆうびんIDのシングルサインオンに関するサイトへの組み込みをはじめ、お客様への提案等、ビジネスとしてご活用いただけるようになります。

また、今後の日本郵便との連携においては、優先的にお声掛けさせていただく可能性もあり(ここは未定ですが)、ロックオンとしても、パートナーにはできるだけメリットを感じていただけるよう、取り組んでいきたいと考えています。

EC-CUBE特設ページ

最後に

あの日本郵便が、オープンソースの「EC-CUBE」や、そのパートナーネットワークに対して、可能性を感じていただき連携できたことは、素直に喜ばしいことで、オープンソースとしての地位の向上や、信頼できるパートナーとのネットワーク形成に頑張って取り組んできたかいがあるというものです。

まだまだ第一弾で始まったばかりですが、今後、本当にワクワクするような展開が待ってるのではないかと、夢が膨らむばかりです。

ライタープロフィール

梶原直樹
梶原直樹株式会社ロックオン(EC-CUBE開発元)
株式会社ロックオンの広報担当。元EC-CUBEの統括責任者で、ECの話題には広く精通している。

EC-CUBEの公式ガイドブックの執筆や、全国各地でEC関連のセミナーを多数実施するなど、EC-CUBEの普及や、EC関連の啓蒙活動を積極的に行う。趣味はサッカー観戦とお部屋の模様替え。

噂では20年以上、怒ってないらしい。きっとイイ人。

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